ペロタン東京(六本木6-6-9 ピラミデ1F)
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、エミリー・メイ・スミスの日本初個展がスタート。
19世紀の象徴主義のような見落とされがちなエピソードから、アール・ヌーヴォーのグラフィックやディズニーのアニメーション、サマー・オブ・ラブのサイケデリックなポスターなど広範囲に及ぶ大衆または商業アートまで、洋画史全般を自身のレファレンスとするエミリーだが、彼女はこうしたアートがほぼ全て男性によって男性の楽しみのために作られたと考察する。
それに対する答えのように彼女が度々モチーフに選ぶのは、家事労働の象徴でもあり、ディズニー映画「ファンタジア」では反逆する道具として活躍する「ほうき」だ。《Gleaner Odalispue》は、明らかに19世紀初頭のフランスの画家たちが好んで描いたOdalispue(女奴隷・寵姫)を模しているが、片肘をついてベッドに横たわるほうきは、目の前にいるはずの男性には目もくれず後ろを向き、あたかも自身のためだけにそこに存在しているような雰囲気を醸し出す。他にも、下着のガーターや乳房など、女性を表現するモチーフを使いながら、必ずそこには男性優位の絵画史に一泡吹かせる、ユニークな意味づけが成されている。
写真は、前述の作品《Gleaner Odalispue》と、本展のために来日したエミリー・メイ・スミスさん。
【会期】8月28日(水)〜11月9日(土) 【休廊日】日月祝 【時間】11:00〜19:00
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