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黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 −美濃の茶陶

黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 −美濃の茶陶
サントリー美術館

2019/9/3(火)
 桃山時代に岐阜県の美濃で焼かれ、大いに流行した茶陶「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部」。しかし、一度は衰退し、再び高い評価と人気を得るようになったのは近代以降のことだ。
 本展では、美濃における茶陶表現の豊かさや独創性をキーワードで読み解くと共に、再興の礎となった陶芸家の代表作や近代数寄者たちの旧蔵品を展示し、彼らを魅了したその美しさに迫る。

 黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部とは、それぞれ使う釉薬や土、技法の違いによって生まれる意匠の特徴で分類された名前で、一つとして同じものがないと言えるほど自由で豊かな造形が魅力だ。実際に展示されている作品を追っていくと、白・黄・緑・灰・朱・黒・紫など色だけをとっても非常に豊富で、そこに歪みが加わったり、釉薬の気孔や鉄絵具の模様などが重なったりすることで多層的になり、ただのやきものの範疇を超えた、小宇宙を見ているような気分になってくる。
 また、国宝や重要文化財を多く含むマニアたちの旧蔵品や、桃山時代の美濃焼の美意識を自らの表現へと昇華させた近代陶芸家、荒川豊蔵と加藤唐九郎の代表作からは、美濃焼への並々ならぬ愛着と誇りを感じ取ることができる。

 半年間の改修工事に入る前の最後の展覧会となる本展。サントリー美術館の歴史に想いを馳せつつ、新しい姿への期待も胸に、じっくり展示を巡りたい。

【会期】9月4日(水)〜11月10日(日)
【休館日】火曜(11月5日は開館)
【時間】10:00〜18:00(金・土曜、9月15・22日、10月13日、11月3日は20:00まで)
※会期中展示替えあり ※2019年11月11日〜2020年5月中旬(予定)休館

右手前:志野草花文向付 桃山時代 16〜17世紀 東京国立博物館