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写真の錬金術 二人の表現者「覚醒する写真たち」今 道子 + 佐藤時啓

写真の錬金術 二人の表現者「覚醒する写真たち」今 道子 + 佐藤時啓
フジフイルム スクエア(赤坂9-7-3 東京ミッドタウン1F)

2019/9/5(木)
 フジフイルム スクエアの写真歴史博物館で、異色の写真家と呼ばれる二人のアーティスト、今道子(こんみちこ)と佐藤時啓(さとうときひろ)の作品展が、2期に分けて開催。
 写真歴史博物館の特性上、写真界に名を遺す故人を扱うことがほとんどだが、今回は初めて現代アートの手法として写真を使う作家の展示が実現。企画を担当した大澤氏は、「お二人に共通するのは、元々は版画や彫刻といった写真以外の美術からスタートし、写真での表現に行き着いたということで、その姿勢や創作の手法からは写真の本質と原理を見ることができます。また、プリントの技術も非常に高く、写真界からも評価されているという点も重要でした」と二人を選んだ理由を語った。

 今は10代の頃からシュルレアリスム的な絵画に憧れ版画を学んでいたが、リトグラフで写真を合成して非現実的なイメージを表現するより、実際に非現実的なものを制作してストレートに写真に撮った方がインパクトがあるのではないかと、写真の制作に取り組むようになる。メロンにまとわりつくタコの足、コハダで覆われキラリと光る下着など、一度見れば忘れられないグロテスクでもあり美しくもある非現実的なオブジェは、主に食べ物で作られているため、そのもの自体は無くなってしまう。それを唯一現実として存在させ続ける写真の魅力に、見る者は想像力を刺激される。
 一方、佐藤はペンライトを持って空間にドローイングし、長時間露光で撮影することで、写真でしか捉えられない光と時間の相関関係を芸術表現にまで高めている。

 写真の可能性は想像力によってどこまで広がるのか、二人の作品から体感したい。

【会期】Part1:今 道子「蘇生するものたち」9月1日(日)〜10月29日(火)、Part2:佐藤時啓「呼吸する光たち」10月30日(水)〜12月27日(金)
【休館日】会期中無休
【時間】10:00〜19:00