大野智史「Sleep in Jungle.」

小山登美夫ギャラリー(六本木6-5-24 complex665 2F)

  • 2020/3/10(火)
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大野智史「Sleep in Jungle.」

 自然と人工物の対峙を画面上に描き出すアーティスト大野智史(おおのさとし)の、小山登美夫ギャラリーでは5度目となる個展。

 亜熱帯の島での生活や国内外の原生林で得た鮮烈な印象から、自身の活動拠点を富士山麓の街に移すなど、原生林や植物への憧憬が制作への大きな原動力となっている大野。本展の「Sleep in Jungle.」もそのような体験と繋がりを持ち、亜熱帯のジャングルに人間が包まれ、溶け込み、夢と同化するような幻想的な世界観が表わされている。しかし、植物の緑や人間の肌は汚染されたケミカル色を発しており、良い夢だけではない何か不穏な空気もはらんでいることに気づく。
 このように自然と人工物を画面上で拮抗させ、空間や意味に幅を持たせる手法はこれまでも度々見られたが、今展では自然が全てを受け入れ許容する、慈愛の眼差しが筆致から強く伝わってくる。

 ギャラリーに入ってすぐ目に飛び込む写実的な亜熱帯の木々から、ジャングルへの入口を抜けて幻想的な森の懐に分け入るような、ストーリー性のある展示構成も見どころだ。

【会期】3月7日(土)〜4月4日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】11:00〜19:00

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