陶虫作家「奥村巴菜陶展 ー虫の楽園ー」

Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi(六本木7-8-9 深作眼科ビル1・B1F)

  • 2021/3/2(火)
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陶虫作家「奥村巴菜陶展 ー虫の楽園ー」

 陶芸家・奥村巴菜(おくむらはな)の作品展が「Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi」で開催中。

 陶芸といっても、茶碗やお皿ではなく、奥村が長年熱中してつくり続けるのは「陶虫」。つまり、実際の虫を隅々まで観察して細部に至るまで手びねりで造形していく、陶でできた虫のことだ。
 父親が虫好きで家に標本があったことなども影響し、小さい頃から生き物が好きだったという奥村は、「頭の先から足の先まで愛らしくて力強い虫達に敬意と感謝の気持ちを込めて」作陶しているという。
 制作当初は虫を忠実に再現しサイズだけ大きくしていたが、近年は「生物学的にはいてもおかしくないが、見たこともない虫」を目指して、独創的にデフォルメされた陶虫を生み出している。例えば、《ツノゼミ様(-夏-アサガオ)》は、背中に葉を背負い、頭にはちょこんとアサガオの花が咲いた愛らしいツノゼミで、元々多様な形態の進化を遂げているツノゼミになら、こんな見た目も存在するかも…というワクワク感が湧いてくる姿だ。そこには、自然と寄り添うように生きる虫たちへの敬意や憧れと、自然に生かされていることを忘れてしまいがちな私たち人間への問いの、両方が込められているように感じる。

 陶の質感や細かな絵付け、そして繊細に表現された触覚や足の先までじっくり観察すれば、溢れ出す作家の“虫愛”が伝染して、こちらまで笑顔になってくる作品展だ。

 会期中は、作家のアトリエとギャラリーをZoomで繋いだリモート在廊も行っているので、気軽に質問できる環境も整っている。

【会期】3月1日(月)〜3月13日(土)
【休廊日】日祝
【時間】11:00〜19:00(最終日は17:00まで)

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