お店に入るとそこはまるでシンガポール!
「本場よりも美味しい」と評判のチキンライスを食す

海南鶏飯食堂 麻布十番本店(麻布十番)

  • 2023/09/05
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海南鶏飯(シンガポールチキンライス)ゆで鶏の普通盛り ※スープ付き海南鶏飯(シンガポールチキンライス)ゆで鶏の普通盛り(約4切125〜130g) 税込1,000円
※スープ付き。ライス・3種のソースはお替り無料

六本木ヒルズ、ゲートタワーを過ぎてすぐのビルの裏手にある「海南鶏飯食堂」。11:30の開店前から行列が途切れない隠れた名店の皆のお目当ては海南鶏飯(シンガポールチキンライス)だ。今やシンガポールチキンライスは珍しくなくなったが、同店は今年で20年を迎える老舗中の老舗。六本木ヒルズの開業とほぼ同時期に開店し、ワーカーや地域の人々のクチコミで広がったという評判の味は「現地で食べるよりも美味しい!」という人もいるほど。外国人にもファンが多く、在日シンガポール人をも虜にする本格派だ。

店内現地感を出しつつも、賑やかすぎず、洗練された雰囲気にもこだわったという清潔感のある店内。MAX28名の席はオープンから2〜3分で満席になることも。個室(2〜5名)も1室あり。いずれもディナー時のみ予約ができる
テラス席今春、天井などが改装されたテラス席(MAX18名)はペット同伴可。店内の貸切は行っていないが、テラス席のみ貸切に対応している

まず席に着いて出されるのが、濁りがなく金色に輝く鶏スープ。優しい香りながら、しっかり鶏の旨味を感じられる味がますます食欲を促し、メインの期待感を高める。そして到着したオーバル型の皿に丸く盛られたチキンとライス。タイ産のジャスミンライスは、チキンペーストの旨味を存分に吸って味わい深く、鼻に抜けるふんわりとした香りが心地よい。鶏肉はムネ肉とは思えないほどしっとりしていて、スプーンでも簡単に切れる柔らかさだ。

仕上げに薄く下味がつけられた鶏肉を3種類のタレで自己流に調味するのが、このメニューの醍醐味。
 赤は自家製チリソースで、軽く喉を刺激する辛味と微かな甘味が感じられる。黄は爽やかな酸味とほのかな辛みのある自家製生姜ソース、黒はシンガポールから取り寄せるチキンライス専用の少し甘みのある専用醤油で、少量でもコクが増し、全体の風味を引きしめる。3種の比率を好みで変えて混ぜても、それぞれ別々にかけても良し。少しパンチが欲しい人には別注で「酢漬のグリーンチリ(青唐辛子)」(税込110円)を足すのもオススメ。
 添えられたパクチーやスープで口直しすると、いくらでもスプーンが進む。ライスとタレはお替り自由なので、ガッツリ食べたい人も大満足だ。
 シンガポールチキンライスのセットは、ゆで鶏普通盛り1,000円をはじめ、ゆで鶏大盛り(約7切180〜190g)1,300円、特盛り(約10切240〜250g)1,700円のほか、麻布十番本店限定で超特盛のタイガー盛り(約13切360〜370g)2,300円まである(いずれも税込)。思いのほかペロッと食べられるので、女性でも大盛を注文する人も多いのだとか。

厨房今春、改装された厨房は機能的に整理されており、次々と手際よく調理が進められている

「現地ではさまざまな部位を使った丸鶏を使うため、食感のバラつきがありますが、当店ではムネ肉のみを使用し、高温で殺菌したあと、じっくり低温でボイルする調理法にこだわっているため、独特の臭みもなく均一に柔らかく仕上がっています。よくお客様から自宅でも作れないかと聞かれるので、ランチョンマットにもレシピを記載しています」と話すのは店舗スーパーバイザーの野崎和彦氏。そしてソースについては、「ここまでこだわる店は他にない」というほどこだわりがあるという。特に現地で重要視されるチリソースは何百回も試行錯誤を繰り返した自慢の一品なのだとか。

チキンライスの他にも一度の来店では足りないほど、オススメのメニュー満載だ。特にチキンライスと2大人気を誇るのがココナッツチキンカレー(税込1,000円)。子どもも食べられるほど、マイルドなココナッツミルクの奥に濃厚なチキンの旨味やスパイスが感じられる一品。こちらも鶏スープ付き、ライスはお替り自由だ。そして大皿メニューで是非、試してほしいのが「シンガポール名物 ブラックペッパーソース〈海老〉」(Mサイズ 税込1,969円、Lサイズ 税込2,948円)だ。プリプリの大ぶりの海老にブラックペッパーの辛みとほのかに効いたガーリック、そして隠し味のバターの甘みが包み込むソースが絶品。このソースだけでジャスミンライスが何度もお替りできる。

シンガポール名物 ブラックペッパーソース〈海老〉(手前)、本日の中国野菜タオチオ炒め(奥)大皿メニューで人気を誇る「シンガポール名物 ブラックペッパーソース〈海老〉」と「本日の中国野菜タオチオ炒め」(Mサイズ 税込1,155円、Lサイズ 税込1,705円)。中国の蒸しパン“カーポー”(税込198円)に挟んで食べるのも良し

オススメのオーダーは2名の時は定番のチキンライスとココナッツチキンカレーをシェア、3〜4名の時は各々チキンライスまたはココナッツチキンカレーに、大皿料理を1〜2品シェア。デザートに濃厚ながら喉ごしの良い「王道!冷たいマンゴープリン」(税込250円)もぜひ加えてほしい。

テイクアウトも電話またはメールの事前注文で受け付けている。チキンライスやココナッツチキンカレーのほか、大皿メニューがオフィスや自宅でもそのままに楽しめるのが嬉しい。チキンライスとココナッツチキンカレーはWEBからデリバリーにも対応している。

土鍋ラクサレマック夜メニューで人気、グツグツで出てくる「土鍋ラクサレマック」(Mサイズ 税込1,188円、Lサイズ 税込1,474円)は、キンキンに冷えたタイガービールと一緒に

20年前、開業にあたり現地のチキンライス人気店をとことん巡り、こだわりの味を開発した先代の味をしっかり引き継ぎながらも、同店では新しい味やサービスにも挑戦し続けている。
 コロナ禍で中断していたシンガポールへの社員研修も再開し、現地の味の忠実な再現に活かすほか、新たなオリジナルメニューの開発にも余念がない。「研修で考えたメニューは、年に1〜2回開催するシンガポールフェア(ディナー時)で提供。お客様からのご意見も取り入れ、グランドメニューとなり、大人気を誇る一品もあります」と野崎氏。

スタッフ後方左より増田暁人氏(調理担当)、野崎和彦氏(店舗スーパーバイザー)、前方左より佐々木隼哉氏(料理長)、平本渉氏(店長)。
「さまざまな国の良いとこどりのシンガポール料理をぜひ、多くの人に楽しんでもらいたいです」と、スタッフを代表して平本氏

「私たちが何よりもお客様のご意見やご要望を大切にしているのは、やはり、地域の皆様に支えられてきたという思いがあるからです。コロナ禍の2年半をテイクアウト販売のみで乗り越えられたのも、他ならぬ地域の皆様のお陰です。
 『パクチーを抜いてほしい』『チキンの皮は取ってほしい』『ソースを多めにしてほしい』など、ご要望があればぜひご注文時におっしゃってください。お客様一人ひとりにとってベストなチキンライスを食べてもらいたいと思います。そしてこれからも食を通して地域の皆さんを元気にさせてもらうことが私たちの使命だと思っています」。

長年受け継がれたこだわりに、スタッフの熱意と優しさが隠し味となっているここだけのチキンライスは、少し元気がない時や食欲がない時でも、皆を笑顔にしてくれる力がある。一度食べたらリピーターになること間違いなしの自慢の一品だ。

基本情報

店舗外観
名称 海南鶏飯食堂 麻布十番本店
所在地 港区六本木6-11-16 六本木中銀マンシオン裏手
電話番号 03-5474-3200
営業時間
月〜金
11:30〜14:30(L.O. 14:00)、17:30〜22:00(L.O. 21:00)
土・日
11:30〜15:00(L.O. 14:30)、17:30〜22:00(L.O. 21:00)
定休日 なし
公式サイト https://route9g.com/1358/

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