Spice and Vegetable 夢民(虎ノ門)
虎ノ門ヒルズビジネスタワー東側の西新橋にあるのが、黄色い暖簾が目印の「Spice and Vegetable 夢民」だ。かつての人気カレー店「夢民」のレシピを使用し、「ダイバーシティ東京内フードコート」での営業を経て、2023年7月、虎ノ門で装いも新たに「Spice and Vegetable 夢民」として開店。
オリジナルの味を忠実に再現しつつも、規格外野菜を積極的に使用した野菜たっぷりの新メニューなどが話題を呼び、往年のファンばかりでなく、新しい客層も魅了。ランチ時には、近隣のワーカーがグループで訪れる姿や女性客も多く見られ、カレー激戦区にありながら、絶えず満席の人気店となっている。
今回はランチで定番の人気メニュー「8種の野菜カレー」(プレーンルゥ)を実食。オーダーはタッチパネルから。基本メニューを選んだ後にルゥを選択。トマトをベースとした「プレーン」をはじめ、「エビ」「チキン」「ポーク」「豆乳」の5種類から選択。その他、辛さやご飯の量、追加トッピングなども選べる(一部追加料金)。
辛さは生クリームが追加されたソフトマイルドから8ホットまであり、1ホットまでが無料。0ホットでも辛く感じる人も多いとのこと。初心者は0〜1ホット、辛さが得意な人には4〜5ホットがオススメとか。
自分好みにオーダーした味がどのようなハーモニーに仕上がるか、楽しみに待っていると、色とりどりの素揚げ野菜がこんもりと綺麗にトッピングされたメインの皿と別添えのルゥが登場。おなじみの野菜から、紫色のジャガイモ「シャドークイーン」に、切り干し大根といった変わり種まで。そのまま食べてもそれぞれの旨味や甘みがしっかり感じられ食感も心地よい。こだわりのルゥはシャバシャバ系。意外にも和を感じるすっきりとしたコクと辛みがあり、トマトの出汁もしっかり効いて、辛みをうまく調和させている。そしてしっとり感がありながらも表面の粘り気が少なく、一粒ひとつぶが際立つ京都府産の米「日本晴」はシャバシャバ系のルゥと相性抜群。野菜やライスがそれぞれ主張しながらも、ルゥをかけることで絶妙な一体感が生まれ、さらに全体の旨味を惹き立ててくれる。
「美味しい野菜をたくさん食べて頂きたいとの思いから、素材の美味しさが際立ち、栄養価が高いまま提供できる素揚げにしています。北海道産のにんじんやじゃがいも、淡路産のたまねぎなど、産地にもこだわっていますが、フードロス削減のため、美味しさはそのままの規格外野菜を積極的に取り入れています。揚げ油はサラっとしてクドさのない米油を採用し、使用後にはバイオガソリンとしてリサイクルされるシステムにも協力しています」と、店長の富所昂聖氏。
「当店では、野菜もルゥも米も主役です。野菜だけ、ルゥと米だけ、というように別々に楽しんでも、かけてもまぜてもよし。いろいろアレンジして食べられるところが特長で、始めから具が混ざっているスープカレーとは異なる魅力だと思っています。ぜひ、自分好みの食べ方を見つけてもらいたいと思います」。
ランチには8種の野菜カレー(税込1,200円)や14種の野菜カレー(税込1,450円)が人気だが、日ごろ野菜不足が感じられる人など、ご褒美的に20種の野菜カレー(税込1,700円)を頼む人も多いのだとか。
ちなみに店長のみが知るという、十数種の秘伝のスパイスで作られた基本のルゥはオリジナル「夢民」の味をしっかり感じられるが、単体では強く個性を主張していない。だからこそ、選べる5種のルゥの違いがはっきり楽しめるのだという。特に、豊洲市場から取り寄せる大きなエビがまるっと1匹入った「エビ」と、バラ肉の甘みとコクのある「ポーク」がオススメなのだそう。
そして往年のファンに人気なのが、オリジナル「夢民」カレー。なかでも不動の一番人気を誇るのが「ポパイカレー」だ。フワフワの卵と食感を残しながら丁寧に炒められた、たっぷりのほうれん草とトマトが入るルゥは、複雑なスパイスの辛みが野菜の甘みと調和されて旨味が後からあとから押し寄せてくる。往年ファンには懐かしく、初めて食す人には新鮮な味わいだ。「ベーコンエッグ野菜カレー」も、フワフワ卵とたっぷりのベーコンの塩気が優しい味わい。程よい火加減で炒められた、ざく切りキャベツのシャキシャキ感と甘みが絶妙だ。
ライス上の福神漬け、オニオンスライス、レーズンも、オリジナル「夢民」流を再現。それぞれが程よい箸休めになってくれる。
食後にはぜひ、「チャイチーズプリン」(税込650円)を追加したい。バスクチーズケーキなどが人気のRAD BROS CAFE(高円寺)とのコラボにより実現した、ここでしか食べられない逸品。「夢民」自家製のたっぷりのシナモンクリームが添えられ、ナツメグなどのスパイスがきいた黒蜜をお好みでかけるスタイル。カレーの余韻を邪魔しないすっきりとした甘さが自慢の逸品だ。
ドリンクにもこだわりがある。5種類のソフトドリンクは全て、スタッフのアイデアにより生まれた自家製。「ふつうのラッシー」は超濃厚ながら、カレーの辛さをほどよく和らげてくれるさっぱりとした後味。「クラフトコーラ」と「クラフトジンジャーエール」は、厳選したスパイスとハーブが隠し味となっている(ソフトドリンク全て税込500円)。アルコールも輸入ビールのほか、「クラフトコークハイボール」、「カルダモン焼酎」など、カレーと一緒に楽しみたい同店ならではの味が用意されている。
お会計時にはレジ横にあるサービスのライオネスコーヒーキャンディーを。カレーの辛さを中和し、不思議と口がさっぱりする。「夢民」スタイルには最後まで粋な気遣いがある。
「今回の出店にあたり熟考を重ねましたが、この『夢民』の味をより多くの方々に知ってもらいたいとの思いから、アクセスが良く、昔から応援してくれている人たちも通えるばかりでなく、オフィス街でランチ需要もあり、観光地としても益々注目が高まる、虎ノ門の地を選びました。オリジナルの味を大切にしながらも、今後さらにワーカーの方たちなどの健康を考えた新メニューも管理栄養士の資格をもつスタッフとともに開発したいと考えています。体が喜び、毎日食べても飽きのこない、みそ汁のようなカレーを提供できる店として、地域の皆様に愛されるようスタッフ一丸となってまいります」。
後から美味しさがじわりじわりと押し寄せ、いつの間にかクセになる。昼にも夜にも、1人で食べたい時も仲間とでも。じっくり楽しみたい、ここだけのカレーだ。
名称 | Spice and Vegetable 夢民 |
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所在地 | 港区西新橋2-13-3 西新橋2丁目ビル1階 |
電話番号 | 03-6205-4343 |
営業時間 |
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定休日 | 日・祝 |
公式サイト | http://www.mumin.jp/ |
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