ここに眠る主な著名人には、明治維新の元勲・大久保利通、“ワンマン総理”として知られた吉田茂、作家の志賀直哉や歌人の斉藤茂吉、血清療法を開発した北里研究所の創設者、北里柴三郎らがおり、そのほかにも各界のお歴々が名を連ねる。園内は12万人以上が埋葬される広大な敷地のため、霊園管理事務所では著名人の墓所が記された案内パンフレットを配布しているので、利用するのが賢明だ。

1874（明治7）年の開設以来、環境をほとんどいじらずに保ってきたため、園内には様々な自然が息づいているという。400本以上というソメイヨシノなどの桜の木以外にも、ケヤキや梅などの老木が枝を張り、コゲラやメジロ、ツグミなど野鳥のさえずりも聞こえる。取材時には耳に痛いほどのセミ時雨や、夕闇に飛ぶコウモリに遭遇した。

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公園の歴史

江戸時代初期

青山常陸介忠成が家康から屋敷領として賜る

江戸時代後期

現在の南・北青山、赤坂7・8丁目までを美濃郡上（ぐじょう）藩青山家が所有

1874（明治7）年

公共墓地として開設

1911（明治44）年

移転案に反対し、公園墓地構想が持ち上がる

1935（昭和10）年

公園墓地として整備が完了