官公庁に近いビジネス街「溜池」。
アメリカ大使館に隣接して立つ赤坂インターシティAIRには、中央に5000㎡を超える
ガーデンがある。東京に古くから自生していた種類の木々が茂り、水辺にはレストランやカフェが点在。ユニークな形のベンチも印象的で、ぶらぶら散歩が楽しい。
六本木通りに面し、溜池山王駅からも地下通路で直結していてアクセスは楽々。アメリカ大使館と道路を挟んだ向かいに広がるのは、木々が整然と並ぶプロムナード。水路に出れば、街の喧騒が一気に遠くなるような穏やかな空間が広がる。
水辺には早春を彩るコブシ、紅葉がきれいなマユミなどが植わり、対岸には緑に馴染むようレンガタイルで造られたカフェやレストランが並ぶ。コーヒーを片手にベンチで寛ぐ人の姿もちらほら。そのベンチがちょっと目を引く。レジャーシートのような幅広なもの、ハイテーブルのようなノッポなもの、稲妻のようにギザギザのものと、形がどれも違う。「今日はどのベンチにする?」、「これは、どうやって座る?」、そんな戸惑いも楽しい寛ぎのひとときになるかもしれない。ガーデン内にはフリーWifiも完備されており、気分転換がてら戸外でPCチェックなどもできそうだ。奥は小高く緑が連なり、庭園というよりも小さな森のような雰囲気がある。
虎ノ門側の水路の終着点は、池のように水辺が広がっていて、エノキの大木がドンと立つ。エノキは、江戸時代には街道の一里塚として植えられた在来種。昔から水辺に生えるこの木が、“溜池”の新しい緑地でシンボルツリーとなっているのも歴史がつながっていくようで面白い。
冒頭の画像にあるような開けた景色を眺めたら、溜池側へ向かう歩道へ。道の脇に何気なく置かれた石は、腰かけられるようにくぼんだ形に。坂を上っていくとクヌギやコナラを見つける。秋にはドングリが歩道を転がりそうだ。歩道の途中から、飛び石が続く別の道が延びている。梢にさえぎられて先が見えない。好奇心に駆られて、進んでみると、水路の中ほどに到達。別の抜け道は、レストランのテラスへと通じていた。歩道に戻って進むと、吐水口を発見。覗き込むと、石の一つが蛙の顔に削られている。ここでも設計者の遊び心を感じて思わず笑顔に。散策の際にはぜひ探してみてほしい。
坂を上りきると、ビル2Fのオフィスラウンジにつながる。ゆったりとしたソファーが並ぶラウンジから眺めるガーデンもいい。山の植生を再現しているため、針葉樹から落葉樹へと変化していく景観も楽しめる。
階段を下りて溜池側に出ると、こちらにもオブジェのようなベンチが点在。イロハモミジなどの葉を落とす木も多く、秋には紅葉が楽しめそう。一般的にビルのランドスケープには、360度どこから見ても同じに映るスマートな木を採用することが多い。しかし、インターシティガーデンでは、より自然に近い森を再現するべく、日当たりによって枝の長さが異なる木を積極的に採用。枝ぶりを見ながら1本ずつ配置を決めていったという。横に存分に伸ばした枝によって生い茂った森らしさが出て、「避暑地に遊びに来ているみたい」といった感想も。テーマを持って植えられた木々や抜け道などの遊び心が、このガーデンの一番の魅力かもしれない。単なる遊歩道では終わらないそぞろ歩きの楽しみを作り出していて、季節や気分でふらりと出かけたくなる。ランチやコーヒーブレイク時など、折々で気軽に自然と触れ合えるスポットだ。
名称 | インターシティガーデン |
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所在地 | 港区赤坂1-8-1 |
問合せ | 03-6745-5751(新日鉄興和不動産(株)広報室) |
アクセス | 銀座線、南北線「溜池山王駅」直結、 千代田線、丸ノ内線「国会議事堂駅」直結< |
公式サイト | https://www.intercity-air.com/ |
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