六本木ヒルズの中心部を走る六本木けやき坂通り。
高級ブランドのショップが並ぶ洗練された通りには、ベンチになるアート作品が点在。
一方、レジデンス側を通るさくら坂は、静かで落ち着いた雰囲気が魅力。
桜以外にも、小さな花や実のついた素朴な草花たちが四季折々に迎えてくれる。
六本木ヒルズの66プラザからアリーナを抜けて、六本木けやき坂通りへ。アルマーニ、ルイ・ヴィトン、フェラガモ、ティファニー、ロレックスと、誰もが知るラグジュアリーブランドが軒を連ね、高級感と洗練されたイメージが漂う。ワーカー・観光客・買い物客など、人が絶え間なく行き交い賑やかだ。
レジデンス棟と森タワーをつなぐ連絡ブリッジの上は、東京タワーを正面に臨む人気フォトスポットだ。イルミネーションの時期はもちろん、春の新緑や秋の紅葉とのコラボショットもオススメ。ブリッジから下りて柱を見ると、蔦が絡まって緑へと変貌している途中。遠くから見ても目立つ緑の柱は、コンクリートの質感に潤いを与えて温かな感じに。この柱はとても巨大で、ここまで一面に覆うほど蔦を育てるのは大変だったに違いない。そんな見えない苦労にも想いを馳せる。
歩道をグランドハイアット方面へ。建物の敷地内の一部を歩道として開放する歩道状空地を活用しているため、幅が広く歩きやすい。歩道状空地は六本木通り側からテレ朝通り、六本木けやき坂通りを抜け、テレビ朝日を曲がってトンネルの前まで続いており、ベビーカーを押しながら歩く母親や、ペットを連れて歩く人などにとっては、安心して散歩を楽しめる場所になっている。
花壇には季節の花が咲いており美しい。この花壇の整備の一部を、GREEN UPというコミュニティー活動が行っている。毎月1回、朝の8時からヒルズで働くワーカーや店舗スタッフなどで構成される有志が集まって作業する。植えるのは、東京近郊で生産される花で、地産地消を意識した取り組みなのだとか。
同通りの最大の特徴は、ストリートファニチャーと呼ばれる、ベンチになるアート作品が点在していること。13人のアーティストによるコラボから生まれた世界初の試みだとか。赤い布がはためいているような形をした内田繁《愛だけを…》のユニークな形、伊東豊雄《波紋》の和風なデザイン、ジャスパー・モリスン《パーク・ベンチ》の環境との調和を意識したデザインなど、見ているだけでも飽きないが、実際に座れる点が何とも楽しい。アンドレア・ブランジ《アーチ》は自宅のリビングから道路を眺めているような雰囲気。
坂上の交差点から、レジデンス南側へ回る六本木さくら坂へと入っていく。75本の桜が植えられ、春はまさに桜のトンネル。ライトアップも実施するため、夜桜見物もステキだ。けやき坂通りの華やかさとは一変して、長閑な雰囲気。道路わきの植樹帯に垣根が設けられ、ドウダンツツジ、ヤマブキ、ツワブキ、サカキなどが織り交ぜて植えられている。ミズヒキの小さな赤い花が可愛らしい。
道の半ばまで来ると、子どもたちの歓声が耳に届く。通称ロボロボ公園と呼ばれるさくら坂公園が隣接しているからだ。真ん中にあるロボットがトーテムポールのように積まれた塔は、チェ・ジョンファが制作したパブリックアート《ロボロボロボ》。全部で44体あり、なんと夜には目や胸の部分が光る仕掛けも。10台が連なった滑り台、ロボットのスプリング遊具、ローラーコースターなどもチェ・ジョンファによるものだという。
更に下っていくと、フジが絡んだパトリシア・ウルキオラ《繁留気球》のベンチに到着。夏は葉が茂って木陰ができて涼しく、冬は枝だけになり日差しを通して暖かいという理にかなった造りであることが実感できる。六本木けやき坂通りに合流し、ベンチには見えない無限大を表した作品、ロン・アラッド《エバーグリーン?》がある交差点でゴール。
六本木けやき坂通りからさくら坂にかけての周遊は、華やかな趣と落ち着いた趣の2つの雰囲気が一気に楽しめて、気分転換に良さそうだ。桜やイルミネーションの時期以外にも、ぶらり散歩を楽しんでみてほしい。
名称 | 六本木けやき坂通り 六本木さくら坂 |
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所在地 | 港区六本木6-12ほか |
問合せ | 03-6406-6000 (六本木ヒルズ総合インフォメーション 10:00〜21:00) |
アクセス | 日比谷線「六本木駅」徒歩3分 大江戸線「六本木駅」徒歩7分 |
公式サイト | https://www.roppongihills.com/green/ |
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