閉ざされた森 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
閉ざされた森

やっぱりジョン・トラボルタは魅力的!
パナマを舞台にカッコよく仕上げた
ちょっとした“頭の体操”サスペンス



 ジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソン、『パルプ・フィクション』の顔合わせ再び!これだけで思わず観たくなる、『ダイ・ハード』のジョン・マクティアナン監督作。パナマの米軍基地を舞台に、密林で消息を絶ったレンジャー部隊の謎を追うサスペンス・ムービーだ。

座頭市
 特殊訓練のため、嵐の密林に降り立ったレンジャー部隊が消息を絶つ。17時間後に2名が生還するが、1名は重症、1名は黙秘、サディスティックな指導で悪名高い鬼軍曹(ジャクソン)は殺された、という。身柄を移されるまでの限られた時間で真相を明すべく、元レンジャー隊員にして尋問のプロ、麻薬取締局捜査官ハーディ(トラボルタ)が基地に呼び寄せられ、女性大尉ジュリーとともに2名の生還者、関係者を調べて上げていく。刻々と迫る時間、二転三転する証言、水面下の利害関係……真実は、正義はどこにあるのだろうか?
閉ざされた森
 ストーリーは一本気な女性大尉(コニー・ニールセン)の視点で、証言集めと調査によって法廷もののように展開。ラストには『ファム・ファタール』(「試写会日記」Vol.19)に近いショックがあり、好き嫌いが別れるところ。PRではあっと驚くシリアスなサスペンス・ミステリーを売りにしているが、それを過剰に期待するのはあまりすすめない。配給関係者もいっていた通り、ちょっとした“頭の体操”くらいにとらえておくといいだろう。


 本作を紹介したかった理由は、(1)トラボルタが好きなため、(2)彼とサミュエル・L・ジャクソンとの共演は見逃せない、と思う人のため。個人的な思い入れから選ばせてもらった。ちなみにトラボルタとジャクソンは共演といっても、実質的なやりとりはほんの少しだけ。本作で再確認したのは、ついつい応援したくなるトラボルタのチャーミングなタレント性。彼の声やオーラ、存在すべてにあるカリスマ性は観る者をさらりと魅了する(別に彼が思想団体サイエントロジーの熱心な信者であることとは関係なく)。彼の色っぽいカリスマ性には善悪どちらも惹きつけるような要素があり、どっちに転んでも説得力があるところは俳優としてとても魅力的だ。資料には本作の撮影にあたり11キロの減量で変身、とあるが、ムチムチで貫禄たっぷり、機敏さもなく“元軍人の麻薬捜査官”というには説得力に欠けていても、特有のゆるい崩れたムードでなんとなくカバーしてしまう強引さも憎めない。


 トラボルタ主演の“頭の体操”サスペンス。仕事に行き詰まったとき、ふと気分転換したくなったとき、知恵の輪やクロスワードがわりにサクッと観てみてはいかがだろう。
『閉ざされた森』 2003年アメリカ映画
データ
2003年8月更新

閉ざされた森

2003年9月公開
渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

■2003年 アメリカ映画
■上映時間1:38
■ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給
■監督/ジョン・マクティアナン
■出演/ジョン・トラボルタ
コニー・ニールセン
サミュエル・L・ジャクソン



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。