「愛は確かにそこかしこにあふれてる」
ヒュー・グラントをはじめ英国の人気俳優らが勢ぞろい
男女19人の恋愛事情を描くほのぼの系群像劇
キャッチフレーズは、“『ブリジット・ジョーンズの日記』『ノッティング・ヒルの恋人』の製作スタッフが手がける新しい愛のストーリー”。本作はこれらの作品ほどわかりやすくドラマティックな内容ではないものの、ほのぼのと心あたたまる群像劇。クリスマス前のロンドンを舞台に、身近によくあるほろ苦いことからありえないようなオイシイことまで、19人の男女が織り成すビター&スウィートなラブ・ストーリーである。
若くてハンサムで独身、と話題の英国新首相デヴィッドは、ドジな秘書ナタリーに一目惚れ。愛妻を亡くして泣き暮らしていたダニエルは、妻の連れ子の少年サムから恋の相談を受ける。ミステリー作家のジェイミーは、南仏のコテージで身の周りの世話をしてくれたポルトガル人のオーレリアが忘れられない……。
さまざまなシチュエーション、さまざまな年代の人々による愛にまつわるエピソード。夫婦で、カップルで、友だちと、家族と――。ロマンティックを楽しめるなら、観にいく相手を選ばない作品だ。もちろんうまくいく話ばかりじゃない。実ることのない片思い、長年連れ添った夫の浮気心に傷つく妻、病の弟を優先して恋を先送りにする女性など、せつない展開も多々。けれどもだからこそ、彼らの状況ややりとりに観る側は親しみを感じられるのだろう。
ポルトガル人女性に恋をするイギリス人男性、アフリカ系(たぶん)の少女に恋をするイギリス人少年など、人種を超えた結びつきを積極的に描く前向きな姿勢もすばらしい。そして今や直球でそのまま使われると観ている方が恥ずかしくなってしまうようなラブ・ストーリーの王道シチュエーションも登場。空港で全力疾走して旅立つ恋人を追いかける、バルコニーの下から愛する女性に求婚する……そんなコテコテの状況を意外な設定でみせてくれるところもなかなか小粋だ。また、上手に誘えない気の弱い彼に彼女がいう「All I want for Christmas is you!」という台詞。これは字幕では普通に訳されていたものの、マライアの歌のタイトル&サビの歌詞そのまんま。素直でかわいらしいアピールに、思わず笑みがこぼれた。
日本での公開はバレンタイン狙いの2月になるが、実は思いっきりクリスマスがテーマの本作。大きなツリー、マライア・キャリーの例の歌、「だってクリスマスだもん」を合言葉に人々が自分の気持ちに正直にアクションを起こしていくほほえましい姿……!クリスマス休暇はイギリスやアメリカで、という方はオン・シーズンで本作を観てみてはいかがだろう。きっとハッピー気分を大いに満喫できるはずだ!
公開 | 2004年2月上旬公開予定 日劇3ほか全国一斉ロードショー |
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制作年/制作国 | 2003年 イギリス |
上映時間 | 2:15 |
配給 | UIP |
監督・脚本 | リチャード・カーティス |
出演 | ヒュー・グラント リーアム・ニーソン コリン・ファース キーラ・ナイトレイ アラン・リックマン エマ・トンプソン ローラ・リニー ローワン・アトキンソン |
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