オーシャンズ13

仲間の受けた仕打ちにメンバーが復讐を誓う。
今度の狙いは卑劣なホテル王の財産と威信。
スタイリッシュなクライム・エンタテインメント!

  • 2007/07/06
  • イベント
  • シネマ
オーシャンズ13© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc - U.S., Canada, Bahamas & Bermuda.
© 2007 Village Roadshow Films (BVI) Limited - All Other Territories.

監督スティーブン・ソダーバーグ、製作ジェリー・ワイントローブのもと、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン、アンディ・ガルシアをはじめ、豪華メンバーが再集結。さらに共演は名優のアル・パチーノ、ベテランのエレン・バーキン。ひどい仕打ちを受けた仲間のために、オーシャン率いる一級犯罪チームが復讐に立ち上がる。さほど評価されなかった前作をしのぎ、ストーリーやエピソード、ファッションなどでオーシャンズのスタイルを確立。再び高い評価を受けているシリーズ第三弾である。

冷酷で卑劣なホテル経営者バンクは、パートナーとして一緒に新ホテルの立ち上げをしてきたルーベンを裏切り、金と土地をまきあげて切り捨てる。ルーベンはショックで心筋梗塞をおこし、生死の境をさまよう。仲間であり、若い頃に助けてくれたルーベンのため、ダニー・オーシャンは仲間たちを招集。メンバーはバンクを総力で叩くことを決意。“5つダイヤ賞”を狙うバンクの新ホテルに、ビッグな作戦を仕掛けていく。

オーシャンズ13

万全のセキュリティを誇る最新設備に、オールド・スタイルの犯罪チームが挑む。『ダイ・ハード4.0』にもあるアナログがデジタルをやっつける、人間たちの知恵と頓知がパーフェクトなマシンを出し抜く、という展開はやはり痛快。スカッとする。

パチーノはバンク役を憎らしいほど辛らつに、バーキンは敏腕秘書役をコミカルに好演。1・2に出演していたジュリア・ロバーツと前作でヒロインを務めたキャサリン・ゼタ=ジョーンズは降板。このまま『刑事コロンボ』の“うちのかみさん”的に、名前はでても姿はでない存在になるのだろうか。物語に不自然に登場するのはどうかと思うが、いずれまた本当に必要な時には格好よく華を添えてほしいものだ。現場ではメンバーたちの連帯感を培うべく、製作のワイントローブが“オーシャンズ・クラブ”なるものを設置。テレビやゲーム、雑誌や食事を提供し、キャストが一緒にリラックスできる空間を用意したとのこと。作中では対等な仲間でも、実際は序列で待遇が大きく異なる俳優たちが平等に過ごせたのは、リアルな仲間意識を養うのにとてもよかったに違いない。ここはクルーニー、ピット、デイモン、ガルシアら人気俳優たちがオープンな人柄であることにもよる。

オーシャンズ13

自分なりの流儀にこだわり、いい意味で野暮ったく義理人情に厚く、陽気でスタイリッシュ。ソダーバーグ監督がキャストとともに打ち立てた世界観を、オーシャンズのファンであり犯罪やギャンブルを描くことに長けている脚本チーム、ブライアン・コッペルマン&デイビッド・レビーンがくっきりと際立たせている。

オーシャンズ13

注目は日本エッセンスがふんだんにとりいれられているところ。ピットが2年前の来日記者会見で言った「次の撮影は東京で!」という宣言を実現できなかったため、せめて“煎茶”“相撲”“SAKE”など日本テイストをたっぷり盛り込んだのだろうか。それともまことしやかに囁かれている『オーシャンズ14』日本編への布石なのか。果たしていかに。

作品データ

オーシャンズ13
公開 2007年8月10日公開
丸の内ピカデリー1ほか全国ロードショー
制作年/制作国 2007年 アメリカ
上映時間 2:02
配給 ワーナー・ブラザース映画
監督 スティーブン・ソダーバーグ
脚本 ブライアン・コッペルマン&デイビッド・レビーン
製作 ジェリー・ワイントローブ
出演 ジョージ・クルーニー
ブラッド・ピット
マット・デイモン
アンディ・ガルシア
アル・パチーノ
エレン・バーキン
ドン・チードル
エリオット・グールド
バーニー・マック
ケイシー・アフレック
スコット・カーン
エディー・ジェイミソン
シャオボー・クィン
カール・ライナー
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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