余命6ヶ月の男2人が冒険の旅に出る!
世界を巡って見つけたそれぞれの真実とは?
笑いあり涙あり、友情や家族の絆を描く感動作
「余命6ヶ月」と宣告された2人の男の“棺おけリスト(原題の『THE BUCKET LIST』=棺おけに入るまでにやっておきたいこと)”とは。出演はオスカー俳優ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン、監督は『スタンド・バイ・ミー』の名匠ロブ・ライナー。ピリッとしたユーモアとしみじみとした感動を届ける、味わい深いヒューマンドラマである。
実直な自動車整備工のカーターと、ワンマンな実業家のエドワード。正反対の人生を歩み、対照的な考え方をもつ2人は病院で同室となり、ともに「末期がんで余命6カ月」と診断される。最初は反目し合うも、それぞれに独自の知性と思想をもつ2人は、同じ治療のつらさや苦しさを知るもの同士、徐々に打ち解けていく。ある日、カーターが書いた“棺おけリスト”のメモを見つけたエドワードはそこに自分のしたいことを書き加え、今すぐそれを2人で実践しようと提案する。
医師の指導も家族の願いも振り切って旅立つ2人の姿は、どこか颯爽としていて気持ちがいい。“棺おけリスト”の内容は、「見知らぬ人に親切にする」「涙が出るほど笑う」というカーターの精神的なものに対して、エドワードが書き込んだのは「スカイダイビングをする」「世界一の美女にキスをする」などの現実的で即物的なプラン。
エジプトのピラミッドを眺めつつ語り合い、アフリカのタンザニアで野営をし、インドのタージマハルで美しい遺跡に思いを馳せる。年代モノのムスタングでレースをしてエベレストを目指して…エドワードの自家用機で巡る、金に糸目をつけない2人の冒険は映像としてとてもエキサイティング。また旅を通じて2人の信頼や絆が深まり、自分の人生の幕を納得のいくかたちで自ら締めくくっていく姿がとても清々しい。
エドワードを演じたニコルソンは、身勝手でもどこか憎めない豪腕実業家をユーモアたっぷりに好演。カーターを演じたフリーマンは、夢を諦めて整備工となった男の哀愁とやさしさをあたたかく表現。エドワードの秘書トマス役は人気TVシリーズ『ふたりは友達? ウィル&グレイス』でエミー賞を受賞したショーン・ヘイズ。エドワードとの毒を含む痛快なやりとりにはアドリブも生かされているとのこと。医師役にロブ・モロー、カーターの妻役にビバリー・トッドなど演技派が脇を固めている。絶妙な配役によって登場人物の個性や心情が明確に表現され、物語が自然に流れていくところも魅力だ。
高齢化社会である今、シニア層に前向きな生き方を提案するストレートな作品が、同世代のスタッフやキャストによって作られることは時流にとても合っている。本作は死を目前にした男2人の物語だが、しんみりと終わらせることはしない。エピローグと最後の一言がまたいいのだ。その邦題の通り、最高の人生はいつだって見つけることができる。若い世代からシニア層まで幅広い世代に訴えかける、ハートウォーミングな感動作である。
公開 | 2008年5月10日公開 丸の内ピカデリー2ほかにて全国ロードショー |
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制作年/制作国 | 2007年 アメリカ |
上映時間 | 1:37 |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
監督 | ロブ・ライナー |
脚本 | ジャスティン・ザッカム |
出演 | ジャック・ニコルソン モーガン・フリーマン ショーン・ヘイズ ロブ・モロー ビバリー・トッド |
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