アバター

妖しく美しい神秘的な景色や生物たちの世界を
3Dで観て、主人公たちと同じ感覚を共有!
ジェームズ・キャメロン監督の一大スペクタクル

  • 2009/12/18
  • イベント
  • シネマ
アバター© 2009 TWENTIETH CENTURY FOX

3Dによる斬新な映像体験を提案する作品が日本上陸。出演は、主人公ジェイク役に数ヶ月をかけて見出されたオーストラリアの若手俳優サム・ワーシントン、『スタートレック』で好演したゾーイ・サルダナ、タフな女性の代名詞シガーニー・ウィーバー。構想14年、製作4年。『エイリアン2』『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督が放つ、入魂の最新作である。

22世紀。資源開発会社RDAは地球から5光年先にある衛星パンドラに軍隊とともに赴き、20億/1kgの希少な鉱物の採掘プロジェクトを開始。参加予定だった科学者の双子の兄が急死したことから、もと海兵隊員で脊髄損傷により両脚が不自由になったジェイクが代行。このプロジェクトでは、先住民と人間のDNAを組み合わせた強靭な肉体“アバター”を人間が遠隔操作し、先住民たちの独自の戦闘法や神秘的な信仰などをリサーチ。ジェイクは先住民たちに資源の採掘に協力させるか立ち退かせるか、という任務を担う。

アバター

「観るのではない。そこにいるのだ」というキャッチを実感すべく、デジタル3D版の鑑賞がおすすめの本作。筆者は試写室の小さなスクリーンで2D版を観たことから、3Dでないと面白さが50%になることは体験済。2時間42分の3D映像に気合でチャレンジすれば、主人公のジェイクさながら神秘的な異郷の大冒険をヴァーチャル体験できるはずだ。

ジェイク役はワーシントンが自然体で表現。やんちゃで憎めないキャラクターをイキイキと演じている。ウィーバーは資源開発重視の企業側と対立する植物学者のグレース役を、サルダナは先住民ナヴィの族長の勇敢な娘ネイティリ役をしっかりと演じ、自然と文明との対立や調和などを暗に伝えている。原住民ナヴィたちのとてもリアルな表情や動きは、俳優の動きをCGキャラクターの動きに転換する従来のモーション・キャプチャーの技術をさらに進化させ、“エモーション・キャプチャー”として感情までも繊細に表現。俳優たちは特殊なステージ上でヘッドギアとパフォーマンス・キャプチャー・スーツを装着して演技したとのこと。また俊敏な翼竜や、狼やサイに似た不思議な生物など次々と登場する妖しくも愛嬌のあるクリーチャーたちにも注目だ。

クリスチャン・ベイル

闇に光り、不思議な力を宿す衛星パンドラの自然には、宮崎駿アニメ『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』などを思い出させるシーンも。壮大で美しい映像美は全篇からひしひしと感じられる。ジェイクが先住民の男として修行を積む冒険シーンや、大がかりな戦闘シーンも迫力だ。心血を注いで本作を作り上げたというキャメロン監督は語る。「私はいつでも限界に挑戦し、それを押し広げている。しかし『アバター』では押し戻されてしまった。この映画の製作の経験は、まるで断崖を飛び降りながらパラシュートの布地を編んでいたようなものだったんだ」。

シガーニー・ウィーヴァー

テーマや規模は異なるものの、人間が人造ボディを遠隔操作するという内容は、2010年1月22日に日本公開のSF映画『サロゲート』でも。本作は政治や経済に不安が蔓延する現代社会からのささやかなエスケープであり、自然や文化に対してこれから必要な価値観の一端を広く浸透させるエンタテインメントであり。シンプルに楽しむもよし、自然との共生や他民族との交流や調和をわかりやすく伝えるヒューマンドラマとして楽しむもよし。テーマパークのアトラクション感覚でドラマティックな3D映像の異郷へトリップできる、最新技術を駆使した一大スペクタクルである。

作品データ

アバター
公開 2009年12月23日公開
TOHOシネマズ 日劇ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2009年 アメリカ
上映時間 2:42
配給 20世紀フォックス映画
出演 サム・ワーシントン
シガーニー・ウィーバー
ゾーイ・サルダナ
スティーヴン・ラング
ミシェル・ロドリゲス
ジョヴァンニ・リビシ
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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