オブリビオン

2077年の荒廃した地球をトム・クルーズが防衛・監視!
新鋭ジョセフ・コシンスキーによる監督・原作・製作
スタイリッシュな映像とスリルを描くSFサスペンス

  • 2013/04/26
  • イベント
  • シネマ
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2010年の映画『トロン:レガシー』でスタイリッシュなビジュアルを打ち出したジョセフ・コシンスキーの監督・原作・製作による、トム・クルーズ主演の最新作。共演は、『007/慰めの報酬』でボンドガールを演じたウクライナ出身のオルガ・キュリレンコ、舞台出身で映画でも活躍するイギリス出身のアンドレア・ライズブロー、『ミリオンダラー・ベイビー』のオスカー俳優モーガン・フリーマン、『ザ・ファイター』のオスカー女優メリッサ・レオほか。エイリアンの攻撃により壊滅的な被害を受けた2077年の地球を舞台に、ひとつの事件を機に真実が明らかになってゆく。スタイリッシュな映像とスリルを描くSFサスペンスである。

2077年、地球はエイリアンの攻撃により甚大な被害を受け、生きのびた人類は土星の衛星タイタンへと移住。ジャックはパートナーのヴィクトリアとともに荒廃した地球に残り、地球を防衛・監視する役割を果たしている。ジャックは毎日パトロール機を操り無人となった地上を上空から見回り、ヴィクトリアは司令本部と交信しながらジャックを導いている。壊れた無人探査機の修理をして、潜伏するエイリアンの残党と戦い、変わりのない日々。そんなある日、ジャックは飛行物体が地上に墜落する瞬間を目撃。司令本部の指示にそむいて現場に向かい、カプセルの中で休眠する女性を保護する。

トム・クルーズ、モーガン・フリーマン

洗練された近未来のビジュアルでひきつける、アクションありロマンスありのSFサスペンス。SF好きならストーリーはすぐにわかるものの、スッキリとした映像美とともに予定調和を満喫できる。近未来であるものの、女性が休眠するカプセルはどこか白雪姫が目覚める棺のようであり、湖のほとりにあるのは大自然の隠れ家のようであり、どこか童話めいたクラシックな要素があるところも魅力的だ。

ジャック役はクルーズが実直に表現。日々の仕事をしてパートナーを大切にして何の不満もないけれど……という男が事件をきっかけに“違和感”に体当たりで迫るさまを演じている。ジャックを愛し、本部の指令に服従するヴィクトリア役はライズブローが素直に。休眠したままトムに救出される女性ジュリア役はキュリレンコがミステリアスに、謎の男ビーチ役はフリーマンがあやしげに、指令本部のサリー役はレオがキリッと演じている。

トム・クルーズ

見どころは有能かつ凶暴なマシンや生活感のない居住空間など、近未来のデザインの数々。トムが空から地球の安全を見回るパトロール機“バブルシップ”を超高速で操るシーンは爽快で、忠犬のようにトムに忠実な無人の地上探査機“ドローン”はどこか愛嬌があり、上空1,000mにそびえ立つ居住空間も兼ねたステーション“スカイタワー”はちょっと住んでみたいと思わせるような感覚がある。便利で衛生的な不足のない世界に在りながら、不完全で手つかずの素朴な自然を求めるジャックの姿は、都市に暮らす現代人には響くところが多いだろう。

モーガン・フリーマン

『トロン:レガシー』に次いで、2作目の長編映画である本作でも洗練された近未来の映像で魅せるコシンスキー監督。彼はスタンフォード大学工学部機械工学デザイン科を卒業し、コロンビア大学建築大学院の修士課程を修了。建築学の分野から映像クリエイターの道へ進んだという変わり種だそう。本作の監督・原作・製作を手がけ、近未来のマシン類や空間のデザインが魅力的であることに合点がいく。キャリアとしては、ナイキ、アップルなど有名企業のCMや、Xbox用のゲームソフト「ギアーズ オブ ウォー」、「ギアーズ オブ ウォー2」、「Halo3」のプロモーション映像が高い評価を得て、そのビジュアルセンスがディズニーとピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーをつとめるジョン・ラセターに認められ、『トロン:レガシー』の監督に抜擢されたそうだ。コシンスキー監督は現在もコロンビア大学に助教授の籍があり、3Dグラフィックや3Dモデリングの研究室をもっているとのこと。今年39歳となるコシンスキーの監督・原作・製作にスター俳優のクルーズがのった、ということも面白い。GW明けにはクルーズがプロモーションのため来日予定。親日家で知られる彼らしく、映画『アウトロー』で1月に来日して以来、約4カ月の再来日となる。若い才能とベテランの人気俳優、というバランスがほどよい本作。来日記者会見でクルーズとコシンスキー監督が何についてどのように語るのか、それもまた楽しみだ。

作品データ

オブリビオン
公開 2013年5月31日公開
TOHOシネマズ日劇ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2013年 アメリカ
上映時間 2:04
配給 東宝東和
原題 OBLIVION
監督・原作・製作 ジョセフ・コシンスキー
脚本 カール・ガイダシェク
マイケル・デブリュン
出演 トム・クルーズ
モーガン・フリーマン
オルガ・キュリレンコ
アンドレア・ライズブロー
ニコライ・コスター=ワルドー
メリッサ・レオ
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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