生まれ育った沖縄の歴史や地政学的状況を独特の映像作品で表現する
映像アーティスト・山城知佳子の公立美術館初個展
映像・写真を主たるメディアとして、2000年代から精力的に作家活動を進めてきた山城知佳子は、生まれ育った沖縄の歴史や地政学的状況と自身との関係に向き合うことを通じて、見過ごされ聞き過ごされてきた声や肉体、魂を伝える作品を手掛け、国内外で高く評価されてきた。本展は、国際的にもさらなる飛躍が期待される山城のミッドキャリア個展として、その作品世界を総覧するはじめての本格的な機会となる。
公立美術館初個展となる本展では、初公開となる山城の最新作を、東京都写真美術館の収蔵作品を中心とした過去の代表作品と組み合わせて紹介。単に時系列に沿って作品の変遷をたどるのではなく、新旧の作品を有機的に配置することで、相互に共鳴する主題やモチーフの連なりを、展示室内を回遊しながら巡る構成となる。
山城が生み出す映像は、見る者の身体感覚に訴えかけるイメージの豊饒さと詩性、そして同時代を見つめる批評的な視点を絶妙なバランスであわせ持つがゆえに、沖縄という特定の地域の問題に留まらず、より広い文脈での読み込みや解釈に開かれている。
最新作のタイトルでもある「リフレーミング」とは、ものごとを見ている枠組みを変え、別の枠組みで見直すことを指しており、写真・映像によって故郷沖縄の風景を新たな視点でとらえなおし見つめていくという、山城作品に通底する姿勢を象徴する。作中には、《創造の発端》(2015年)にも出演した川口隆夫、振付家・ダンサーであり、アートと社会を繋ぐ活動を展開している砂連尾理、沖縄出身でモデル・映画俳優として活躍する尚玄、沖縄芝居の役者ら多彩・多才な出演者が集う。史実を踏まえながら、沖縄北部の風景・地形を題材に映画的なナラティブや会話劇を取り入れた、おとぎ話のような物語に注目したい。
展覧会名 | 山城知佳子 リフレーミング |
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会期 | 2021年8月17日(火)〜10月10日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし8月30日、9月20日は開館)、9月21日(火) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京都写真美術館 B1F 展示室 目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 700円、学生 560円、中高生・65歳以上 350円 ※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料 |
公式サイト | https://topmuseum.jp/ |
問合せ | 03-3280-0099 |
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