浮世絵動物園

かわいい!おもしろい!ちょっとヘン!?
個性豊かな動物たちがいきいきと描かれる浮世絵の世界へようこそ!

  • 2022/08/03
  • イベント
  • アート

2010年、2017年に開催し好評を博した「浮世絵動物園」展が2022年夏、満を持して再び開催。北斎、広重、国芳、芳年など時代を代表する絵師から知られざる動物絵の名人まで40名の個性豊かな動物表現あふれる浮世絵160点を紹介する。

本展の浮世絵には、ペットの猫や犬、日々の営みを助けた馬や牛など、人間と暮らしをともにした動物はもちろん、おめでたい鶴や亀、地震を起こすとされた鯰(なまず)、さらには舶来の珍獣たちまで、さまざまな生き物が登場する。また浮世絵師たちの想像力は、擬人化された動物たちが仕事や勉強に精を出す姿をいきいきと描き出し、太田記念美術館のTwitterアイコンも務める「虎子石」のような不思議な珍獣も生み出した。

浮世絵にはペットを溺愛する今と変わらない人々の姿も描かれている。一方で、犬に魚を盗まれる魚屋や馬に乗った旅人など、現在では見られなくなった人と動物との暮らしぶりもうかがえる。木菟(ミミズク)を描いて疱瘡除けの効果を期待した「疱瘡絵」、飼い主のかわりに伊勢参りをしたと伝えられる犬を描いた作品など、時に現代人の想像を超える動物たちの活躍ぶりも紹介する。
 また、雨を呼ぶ霊力があるとされた龍、普賢菩薩の乗り物とされた白象、妖狐や化け猫、はたまたすべての干支が合体した不思議な生き物まで、伝説や物語にも登場する空想上の生き物たちも多数登場。
 相撲をとる兎、商売や勉強をする猫、喧嘩や宴会芸をする鳥、踊るタコなど、絵師の自由なイマジネーションに支えられた多彩で愉快な擬人化作品も楽しめる。このような作品をとおして、江戸っ子の感性や当時の生活風俗もうかがうことができる。

北斎晩年の代表作「雨中の虎」、猫の絵の中でも屈指の人気を誇る広重「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」など、実力派絵師の名作も本展の見どころ。巨匠だけでなく、キュートな擬人化動物が得意な歌川芳藤、虎子石の生みの親で抜群のユーモアセンスを見せる歌川芳員など、知られざる動物絵の名人たちの作品も楽しめる。

大人も子どもも楽しめるバラエティ豊かな作品を通して、江戸に生きる人々のあふれる想像力や動物たちとの多彩で濃密な関係性にも触れてほしい。

  1. 菊川英山「虎図」(前期)
  2. 葛飾北斎「狆」(後期)
  3. 歌川芳員「東海道五十三次内 大磯をだハらへ四リ」(前期)
  4. 歌川芳虎「家内安全ヲ守 十二支之図」(後期)
  5. 歌川芳藤「兎の相撲」(前期)
  1. 菊川英山「虎図」(前期)
  2. 葛飾北斎「狆」(後期)
  3. 歌川芳員「東海道五十三次内 大磯をだハらへ四リ」(前期)
  4. 歌川芳虎「家内安全ヲ守 十二支之図」(後期)
  5. 歌川芳藤「兎の相撲」(前期)

開催概要

展覧会名 浮世絵動物園
会期 2022年7月30日(土)〜9月25日(日)
※前後期で全点展示替え
前期 :7月30日(土)〜8月28日(日)
後期 :9月2日(金)〜9月25日(日)
休館日 月曜日(ただし9月19日は開館)、8月30日(火)〜9月1日(木)、9月20日(火)
時間 10:30〜17:30
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 太田記念美術館
渋谷区神宮前1-10-10
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 1,200円、高大生 800円、中学生以下無料
公式サイト http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

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