開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z

スタッフ職員ですらあまり見たことのない、
旧朝香宮邸のありのままの姿に迫る展覧会

  • 2024/01/29
  • イベント
  • アート

開館40周年を記念して開催する本展は、改めて旧朝香宮邸をじっくりと読み解くための展覧会。これまで培った調査や研究をもとに、アルファベットのAからZを頭文字に持つキーワードをピックアップして解説する。

1933(昭和8)年に竣工した旧朝香宮邸は、皇族・朝香宮家の邸宅として、また外務大臣・首相の公邸や迎賓館として、時代とともに役割を変えてさまざまな顔を見せながらも今日、多くの人々を迎えている。建設当初の姿を留めた旧朝香宮邸は、現在では美術館であるとともに、国指定の重要文化財という特性も兼ね備え、活用と保存を調和・両立させた存在と言える。

竣工から90年、東京都庭園美術館として開館してから40年。建物の歴史や関わった人の想いが重なる旧朝香宮邸を改めて見つめ直す試みとして、「Art Deco」「Bathroom」等、各部屋に散りばめられたキーワードの解説を辿りながら、来場者は館内を巡っていく。それはあたかも旧朝香宮邸の辞書を引いて紡いでいくような体験。旧朝香宮邸に関する建築技法、建設に携わった人々、室内意匠や素材、各時代にまつわるエピソード等、基本情報から今までなかなか紹介されるチャンスがなかった内容まで、調査や取り組みの一端が紹介される。
 普段は、展示ケースや仮設の壁面の設置、家具・調度品を配した再現展示等、美術館の展示室として活用している部分を主に公開しているが、本展ではその役目を一度脇に置いて、敢えてあるがままの旧朝香宮邸を紹介。スタッフ職員ですら素の状態はあまり見ることがない、観覧可能なエリアが公開されるのも本展ならではの醍醐味だ。

本展ではまた、現代作家の伊藤公象(1932年〜)と須田悦弘(1969年〜)をゲストアーティストに迎え、本館内や庭園で、旧朝香宮邸をさらに深く読み解く手がかりとなるようなインスタレーションを展開する。

可能な限り素のままの旧朝香宮邸を公開し、建築空間との対話一つひとつを大切に考えていく本展。今までに来館したことがある人も、まだ見たことがないという人も、建築そのものを存分に堪能し、新たな見どころや魅力を発見する貴重な機会となるだろう。

  1. 東京都庭園美術館本館 大広間
    東京都庭園美術館本館
    大広間
  2. 朝香宮邸正面玄関 1933年頃 松井写真館/撮影
    朝香宮邸正面玄関 1933年頃 松井写真館/撮影
  3. 東京都庭園美術館本館 ウインターガーデン
    東京都庭園美術館本館 ウインターガーデン
  4. 東京都庭園美術館本館 次室 香水塔
    東京都庭園美術館本館
    次室 香水塔
  5. 東京都庭園美術館本館 姫宮居間
    東京都庭園美術館本館
    姫宮居間
  6. 東京都庭園美術館 本館 正面玄関
    東京都庭園美術館 本館 正面玄関

開催概要

展覧会名 開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z
会期 2024年2月17日(土)〜5月12日(日)
休館日 月曜日(ただし4月29日、5月6日は開館)、4月30日(火)、5月7日(火)
時間 10:00〜18:00(3月22日・23日・29日・30日は20:00まで)
※展示室入場は閉館時間の30分前まで
会場 東京都庭園美術館(本館+新館)
港区白金台5-21-9
>> 会場の紹介記事はこちら
観覧料 一般 1,400円、大学生・専門学校生 1,120円、中高生・65歳以上 700円、小学生以下無料
※日時指定制
※詳細は公式サイトをご確認下さい
公式サイト https://www.teien-art-museum.ne.jp/
問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)

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