企画展 「墨と金−狩野派の絵画−」

水墨と金彩で魅せる! 江戸時代の画壇を制覇した狩野派の技術

日本画の最大画派で、室町時代から江戸時代まで画壇の中心で活躍した狩野派。画壇制覇を支えた絵画技術や革新性を紐解きながら、時代のニーズとともに変遷していく画風に着目する、狩野派の魅力を掘り起こす企画展です。

狩野派は、親子、兄弟などの血縁関係を軸に広がり、15世紀から19世紀まで約400年にわたり日本画の画壇の中枢にいた画家集団。室町幕府8代将軍の足利義政に仕えた狩野正信を初代とし、その子の狩野元信の時代にその基盤を築きました。元信の孫にあたる狩野永徳は、織田信長と豊臣秀吉の2人の天下人に愛されて、安土城や大阪城の障壁画を制作。永徳の孫、狩野探幽は江戸城や二条城などの障壁画を指揮しています。
 時の権力との結びつきに長け、徳川家康により幕府御用絵師に取り立てられた背景には、過去の様々な絵画技術を統合した画風がニーズに合致していた点があげられます。初代正信、二代元信は、中国人画家による既存の水墨画の画風を再構築し、一門の絵師たちが描きやすい「型」を作りました。加えて、元信は「真体、行体、草体」という画体の概念を確立するとともに、やまと絵の彩色法も取り入れます。永徳は、桃山時代の風潮を体現。水墨に存在感を強めた金彩が力強い調和を生み出します。探幽によって画風はさらに工夫され、江戸時代の絵画の基となる瀟洒で優美な画風へと昇華しました。

本展では、元信の画風を踏襲した室町時代の優品、探幽とその弟である尚信の代表作、探幽を中心とした江戸狩野と異なる華麗な京狩野の画風を打ち立てた山雪の作品など、各時代の狩野派の作品が並びます。
 伝 元信筆「養蚕機織図風ようさんきしょくずびょうぶ」では、山水景観の中に養蚕と機織りの作業場面を違和感なくまとめあげる構成力や水墨の筆さばきなどに注目。狩野探幽筆「両帝図屏風りょうていずびょうぶ」では、為政者が鑑とする古代中国の皇帝を格調高く華麗に描いた画面が見所です。狩野尚信筆「山水花鳥図屏風」では、ラフな中でも鳥の生き生きした描写や余白の使い方、狩野山雪筆「梟鶏図きょうけいず」では、対比した構図やウィットに富んだ描写も見られます。
 水墨と金彩のインパクトある画風をじっくり展観できます。

梟鶏図(きょうけいず) 狩野山雪筆 2幅 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵
養蚕機織図屏風(ようさんきしょくずびょうぶ) 伝 狩野元信筆 6曲1双 日本・室町時代 16世紀 根津美術館蔵
両帝図屏風(りょうていずびょうぶ) 狩野探幽筆 6曲1双 日本・江戸時代 寛文元年(1661) 根津美術館蔵
開催概要
展覧会名 企画展 「墨と金−狩野派の絵画−」
会期 2018年1月10日(水) 〜 2月12日(月・振休)
休館日 月曜日(ただし2月12日は開館)
時間 10:00〜17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 根津美術館
港区南青山6-5-1 
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 1,100円、高大生 800円
公式サイト http://www.nezu-muse.or.jp/
問合せ 03-3400-2536
2017年12月更新