数々の装飾技術が光る! 過去最大の230点の作品で振り返る名窯の歴史
ハンガリーにあるヘレンド磁器製作所は、オーストリア帝室・ハンガリー王室御用達として名声を博し、各国の王侯貴族に愛された高級磁器窯。名窯の190年余りの歴史を作品を展観しながら振り返る企画展です。
ハンガリーの首都ブタペストから約110km離れたところにあるヘレンド村。1826年、ヘレンド磁器製作所の前身であるクリームウェア製陶所が創設されました。クリームウェアは大量生産型の陶器で、当時のヨーロッパの上流階級の食器として使われていました。1839年に資本参加したモール・フィシェルによって、貴族や富裕層が所有していた磁器セットの割れてしまった器の補充、逸品の複製などを行って技術を向上。国際博覧会に参加して注目を受け、注文数を伸ばすといった戦略で、名窯の礎を築きます。モールの息子たちの世代になると、セーブル窯風のロココ趣味の装飾など、新製品の開発にも着手。東洋風の製品では、透彫りの装飾で二重の器壁を持つ「ウエールズ」文、柿右衛門磁器に特徴的なモチーフを取り入れた「ゲデレー」文などが考案されます。19世紀末には、万国博覧会へ積極的に出品。民族意識の高まりを踏まえてカーネーションやザクロなどの民族的な装飾が確立され、「ハンガリアン・ナショナル」文として後に重要なモチーフとなりました。1920年代には磁器人形の制作も開始。第二次世界大戦後は共産圏となりヘレンドも国有化されますが、1990年代に再び民営化。磁器デザインを専門とする工芸家が参加する社内アトリエなどを開設し、外部から作家を招くことで、独創性と多様性を一層追求しています。
本展では、窯の創設から現代に至るまでの190年余りの歴史を作品で辿ります。全7章で構成され、1章はクリームウェア製陶所だった黎明期、2章は高級磁器ヘレンドの礎を築いたモール・フィシェルの時代、3章はモール・フィシェルの子どもたちの時代、4章はモールの孫、イエネー・ファルカシュハージ・フィシェル時代、5章は2つの世界大戦をはさむ時代、第6章は共産圏下の国有時代、第7章は1992年に再び民営化して以降現代までの流れで進みます。東洋磁器を手本としながらもヘレンド特有のモチーフが描かれた色絵金彩「皇帝」文コーヒーセットや、卍の透かし彫りの外壁で内壁を囲んだ金彩「ウエールズ」文龍飾りビアマグなど、シノワズリーや個性的な文様を施した名品が一堂にそろいます。
展覧会名 | ヘレンド展― 皇妃エリザベートが愛したハンガリーの名窯 ― |
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会期 | 2018年1月13日(土) 〜 3月21日(水) |
休館日 | 水曜日(ただし3月21日は開館) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | パナソニック 汐留ミュージアム 港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,000円、65歳以上 900円、大学生 700円、中高生 500円 |
公式サイト | https://panasonic.co.jp/ew/museum/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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