標本づくりの技(ワザ)−職人たちが支える科博−

博物館のバックヤードを覗く! 価値を左右する標本づくりの技

博物館が収集した自然物は標本化、科学技術の産物は整理や修復などを経て、それぞれ長期保管しながら研究や展示に活用されます。その標本に焦点を当て、動物から理工学まで5つのジャンルで職人芸とも言える標本づくりの技や道具類などに迫る企画展です。
 『月刊!スピリッツ』(小学館)で連載中の博物館マンガ『へんなものみっけ!』とコラボした漫画のイラストも展示されます。

自然界に存在する様々なものを目的に沿って全体の中から取り出し、観察や調査する対象の一部を構成する「標本」。自然物は研究や展示などの目的に合わせて標本化することで、初めて「標本」としての命を得ます。標本化させるための技術は職人と呼べるほど精緻で、職人による標本づくりの質が標本の価値を左右する肝となります。

本展では、国立科学博物館の動物、植物、地学、人類、理工学の5研究部ごとに標本づくりの技を紹介。職人技が光る質の高い標本や道具類を展示するほか、作業現場も再現します。
 「1.標本とは何か?」では、5研究部それぞれの標本の定義や種類を紹介します。人類研究部では伝インカ帝国のミイラやX線写真など、植物研究部では標本貼付装置や液浸標本、地学研究部では偏光顕微鏡やクリアードリーフ標本、理工学研究部では地震被害写真(レプリカ)、動物研究部ではアフリカ象牙など、百年単位で保管された貴重な標本から見える研究成果にも迫ります。「2.標本づくりの部屋をのぞいてみよう!」では、収集された自然物が標本や資料となるまでのプロセスに密着。人骨修復、化石クリーニング、化石レプリカ作製、獣毛仮剥製など、7つのテーマで展開します。ナウマンゾウの化石やゴマフアザラシの剥製なども展示され、「モノ」がどのような過程を経て「標本」や「資料」としての命を獲得するのか、研究部ごとに作業現場を再現。臨場感のある世界が楽しめます。「3.博物館のこれから」では、博物館の歴史を振り返りながら、同館の標本資料収集の歩みを紹介し、これからの在り方を考えます。
 博物館の研究や展示を支える裏方の仕事に密着して漫画も交えながら紐解く、ユニークな内容となっています。

明治22年熊本地震の被害写真(レプリカ)(所蔵:国立科学博物館)
腊葉(さくよう)標本作製の様子

ナウマンゾウ下顎骨実物化石(所蔵:国立科学博物館)
ゴマフアザラシ剥製(所蔵:国立科学博物館)
開催概要
展覧会名 企画展 標本づくりの技(ワザ)−職人たちが支える科博−
会期 2018年9月4日(火) 〜 11月25日(日)
休館日 月曜日
※月曜が祝休日の場合は開館し、火曜日休館
※10月1日(月)は開館
時間 9:00〜17:00
※金、土曜日および10月31日(水)、11月1日(木)は20:00まで
※入館は各閉館時刻の30分前まで
会場 国立科学博物館
台東区上野公園7-20
入場料 一般・大学生 620円、高校生以下および65歳以上は無料
公式サイト http://www.kahaku.go.jp/event/2018/09hyouhon/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
2018年8月更新