アーティゾン美術館と現代美術家のセッション展が始動!
巨大インスタレーションで魅せる生まれたての原初的な体験
2020年1月に開館したアーティゾン美術館が、“新たな冒険であり挑戦”と位置付ける、石橋財団コレクションと現代美術家の共演展「ジャム・セッション」。その記念すべきシリーズ第1回のアーティストとして選出された鴻池朋子の展示「ちゅうがえり」が開催。
鴻池は、絵画、彫刻といった従来の美術手法から拡張して、旅という時間と移動、歌や語りという音声言語、玩具や手芸などという身近な生活の行為や手立てをメディアとして、狩猟採集という人間の文化の「原型」というものを再考し、芸術の根源的な問い直しを続けてきたアーティストだ。
今展の開催に向けては、株式会社ブリヂストンの九州のタイヤ工場や東京の技術センターへのリサーチ旅行、アーティゾン美術館館長や関係者へのインタビュー、収蔵品についての学芸員からのレクチャーなど、美術館を構成してきた様々な要素と「対話」によるセッションを重ね、新たな美術館の可能性を形にしようと試みている。
そのようなプロセスを経て、展示室全体に立ち現れるのは、円形の大襖絵を中心とした新作インスタレーション。それを囲むようにユニークなスロープがつくられ、周辺には森羅万象を紙で象った影絵燈籠や、作家の声によるオオカミや風や雪女などの人間以外の生き物の音が響き渡る。そして、瀬戸内国際芸術祭2019で発表された幅12m、高さ4mの《皮トンビ》は、約一年間山に設置されたのちに本展に持ち込まれることで、経年変化した姿を見せる。その側には、美術館の収蔵品であるクールベの《雪の中を駆ける鹿》や、シスレーの《森へ行く女たち》などが対話をするように設置され、野生の気配が室内に立ちこめる。この石橋財団コレクションとアーティストのセッションが本展の一番の醍醐味といえる。
視覚以外にも触覚、嗅覚、聴覚など、身体全体を使った作品との出会いが、観客の視点を軽やかに「ちゅうがえり」させるだろう。
展覧会名 | ジャム・セッション 石橋財団コレクション×鴻池朋子 鴻池朋子 ちゅうがえり |
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会期 | 2020年6月23日(火) 〜 10月25日(日) |
休館日 | 月曜日(8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日 |
時間 | 10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで |
会場 | アーティゾン美術館 中央区京橋1-7-2 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 【ウェブ予約チケット】 一般 1,100円、高大専門生 無料、中学生以下 無料(予約不要) ※日時指定予約制 ※当日チケット: ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ窓口で販売 ※詳細は公式サイトのチケット情報をご覧ください |
公式サイト | https://www.artizon.museum/ |
問合せ | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
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