建物公開2021 艶めくアール・デコの色彩

年に一度の建物公開展、今年は「色」がテーマ
艶めくアール・デコの色彩と新緑の庭園を堪能

  • 2021/06/01
  • イベント
  • アート

1933年に竣工した旧朝香宮邸(現・東京都庭園美術館本館)の建築としての魅力を存分に堪能できる、年に一度の建物公開展が今年も開催。これまで、建物の歴史や室内装飾、建築素材や各部のディティールなど、異なったテーマを毎年設けつつ、多様な角度から建物の魅力に迫ってきたが、2021年は室内空間を演出する要素の一つである「色」を切り口に、アール・デコの色彩にスポットを当てる。

フランス滞在中、その様式美に魅せられた朝香宮夫妻は、帰国後自邸の建設にあたりアール・デコの精華を積極的に取り入れた。当時の最先端かつ最高級の素材や技法を用いて建てられた朝香宮邸には、漆喰天井の白色、漆が塗られた柱の黒色、建具に用いられたメタリックカラー、木材や石材の天然色、多彩なガラスが放つ透明感、そして窓辺から望む庭園の豊かな緑――華やぎと落ち着きを兼ね備えたさまざまな色彩が存在し、約90年の時を経てもなお人々を魅了し続けている。
 本展では、旧朝香宮邸における色彩に改めて注目し、これまで培った調査研究の成果を公開するとともに、建物公開展では恒例となる邸宅空間の再現展示で往時の趣を呼び起こす。今回はテーブルセッティングの再現に注目したい。
 そして、新館ではアール・デコ期の絵画や書籍等を展示し、その色彩の特長を展観する。新しく収蔵された作品も本展でお披露目される予定だ。

普段は作品保護を目的に閉じられている窓のカーテンが開け放たれ、自然光と新緑の庭園を楽しみながら、邸宅空間でゆっくりとした時間を過ごせる建物公開展。そして、楽しみの一つである写真撮影は、今年も本館・新館共に可能。アール・デコの美しい色彩と新緑の庭園など、今年は色に注目して撮影するのも面白そうだ。

  1. アンリ・ラパン《サント=ヴィクトワール山麓 2人の子どものいるプロヴァンス地方の風景》1920-30年頃
  2. 東京都庭園美術館本館 次室 香水塔
  3. 東京都庭園美術館本館 大食堂
  4. アンドレ・グルー(デザイン)、マリー・ローランサン(絵付)、アドルフ・シャノー(制作)《椅子》 1924年頃
  5. 東京都庭園美術館本館 殿下居間
  1. アンリ・ラパン《サント=ヴィクトワール山麓 2人の子どものいるプロヴァンス地方の風景》 1920-30年頃
  2. 東京都庭園美術館本館 次室 香水塔
  3. 東京都庭園美術館本館 大食堂
  4. アンドレ・グルー(デザイン)、マリー・ローランサン(絵付)、アドルフ・シャノー(制作) 《椅子》 1924年頃
  5. 東京都庭園美術館本館 殿下居間

開催概要

展覧会名 建物公開2021 艶めくアール・デコの色彩
会期 2021年4月24日(土)〜6月13日(日)
休館日 月曜日(ただし5月3日は開館)、5月6日(木)
時間 10:00〜18:00
※展示室入場は閉館時間の30分前まで
会場 東京都庭園美術館(本館+新館)
港区白金台5-21-9
>> 会場の紹介記事はこちら
観覧料 一般 1,000円、大学生・専門学校生 800円、中高生・65歳以上 500円、小学生以下無料
※事前予約制
※詳細は公式サイトをご確認下さい
公式サイト https://www.teien-art-museum.ne.jp/
問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)

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