特別展「国宝 聖林寺十一面観音 ― 三輪山信仰のみほとけ」

日本彫刻の最高傑作、国宝「十一面観音菩薩立像」東京で初公開!

国宝「十一面観音菩薩立像」(聖林寺蔵)、国宝「地蔵菩薩立像」(法隆寺蔵)などの仏像と、仏教伝来以前の日本の自然信仰を示す三輪山禁足地の出土品などを展示する特別展が開催。

仏教伝来以前の日本では、神は山、滝、岩や樹木などに宿ると信じられ、本殿などの建築や、神の像はつくらず、自然のままのしろを拝んでいた。その形が現在まで続いているのが三輪山を御神体とする大神おおみわ神社だ。また、三輪山には人々が入ることができない禁足地があり、そこから古代の祭祀を物語る子持勾玉や、造酒に用いる器具の小さな土製模型が出土しており、古くからの信仰の存在を確認できる。
 国家的に仏教を興隆した奈良時代には、神と仏の接近が見られ、神社に付属する寺がつくられるようになると、大神神社にも大神寺(鎌倉時代以降は大御輪寺)が建てられ、仏像が安置された。しかし明治元年、新政府により神仏分離令が発せられると、寺や仏像が苦難にさらされ、大御輪寺の仏像は同寺の住職や周辺の人々の手によって、近傍の寺院に移され、今日に至る。

このような経緯で聖林寺に移された国宝「十一面観音菩薩立像」は、厳かな顔立ちや均整のとれた体つきなど、その圧倒的な美しさから日本彫刻の最高傑作とされる。主に8世紀後半に用いられた木心乾漆造もくしんかんしつづくりという技法でつくられており、肉身の微妙な起伏や衣の写実的表現が見事だ。文化財を守るため1897年に「古社寺保存法」が制定されると、国宝(旧国宝)に指定され、1950年には文化財保護法として新制度に移管され、翌年の第一次で選ばれた国宝仏24のひとつとして国宝(新国宝)に指定された。
 本像が奈良県から出るのは初めてのことで、会場では、その優雅な表情、均整のとれた体軀、姿勢、しぐさの美しさを360度さまざまな角度から観覧できる。

他にも、会場では、大神神社の三ツ鳥居を再現し三輪山信仰にも迫ると共に、かつて大神神社にまつられていた国宝「地蔵菩薩立像」、正暦寺「日光菩薩立像」、「月光がっこう菩薩立像」が約150年ぶりに再会する。

国宝 十一面観音菩薩立像 奈良時代・8世紀 奈良・聖林寺蔵
国宝 十一面観音菩薩立像(部分) 奈良時代・8世紀 奈良・聖林寺蔵
国宝 十一面観音菩薩立像 右手(部分) 奈良時代・8世紀 奈良・聖林寺蔵
国宝 十一面観音菩薩立像 頭上面(部分) 奈良時代・8世紀 奈良・聖林寺蔵
聖林寺外観

開催概要
展覧会名 特別展「国宝 聖林寺十一面観音 ― 三輪山信仰のみほとけ」
会期 2021年6月22日(火)〜9月12日(日)
休館日 月曜日(ただし、8月9日は開館)
時間 9:30〜17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 東京国立博物館 本館特別5室
台東区上野公園13-9
>> 会場の紹介記事はこちら
観覧料 【前売日時指定】一般 1,400円、大学生 700円、高校生 400円
【当日】一般 1,500円、大学生 800円、高校生 500円
※中学生以下無料
※事前予約優先制
※詳細はこちらをご確認ください
公式サイト https://tsumugu.yomiuri.co.jp/shorinji2020/
問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)
2021年6月9日更新