現代アートに込められた多様な視点と想像力が、未来の可能性を示す
パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何かを、現代アートに込められた多様な視点を通して考える展覧会が開催。
本展では、美術館ならではのリアルな空間での体験を重視し、インスタレーション、彫刻、映像、写真、絵画など、国内外のアーティスト16名の作品を紹介。 4テーマを軸とし、自然と人間、個人と社会、家族、繰り返される日常、精神世界、生と死など、生や実存に結びつく主題の作品が「よく生きる」ことへの考察を促す内容となっている。
オノ・ヨーコのインストラクション(指示書)を集めた「グレープフルーツ」には、本展のタイトルにもなっている「地球がまわる音を聴く」など、想像するだけで世界が広がる言葉にあふれている。また、ヴォルフガング・ライプは、花粉や蜜蝋、牛乳などの身近なものを用いて、生命のエッセンスを最もシンプルかつ美しく提示する。 これら作品の想像力を借りて、複雑で広大な世界を省みることや、本質を見つめ直すことが、「パンデミック以降をいかに生きるか?」を考えるヒントを与えてくれるだろう。
「私たちの心はどのように社会を捉え、どのような風景を描いたのか?」では、パンデミックが浮き彫りにした、地域や家庭といったより身近な環境の問題に向き合うアーティストたちの作品を紹介。私たちの生活や身の回りの環境を、異なる視点から観察し、再考することの重要性を示している。
また、「生きることそのものが芸術になるのか?」を問うテーマでは、さまざまなメディアを用いて全身全霊で制作に取り組む作家たちのエネルギーあふれる作品を紹介する。生きることの根源的な意味と直結する彼らの作品は、まさに「生きることとはなにか」に対するひとつの回答を提示している。
展覧会の最後を飾るのは、「自分と宇宙、今日の一瞬と永遠はどう繋がっているのか?」をテーマとした作品。呼吸を整え瞑想する空間を与えるインスタレーションや、鏡に映り込む私たち自身の存在を通して、壮大な宇宙の一部であることを体感できる作品などを紹介する。
五感を研ぎ澄ませ、作品の素材やスケールを体感しながらアートと向き合うことは、他者や社会から与えられるのではない、自分自身にとってのウェルビーイング、すなわち「よく生きる」ことについて考えるきっかけになる。
パンデミック経験の中で得体の知れない恐怖感や、混沌の中で不安感を抱える今日。芸術表現が示す多様な視点や想像力が私たちに未来の可能性を示してくれる一助になるのではないだろうか。
展覧会名 | 地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング |
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会期 | 2022年6月29日(水)〜11月6日(日) |
休館日 | 会期中無休 |
時間 | 10:00〜22:00(火曜日は17:00まで) ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | 森美術館 港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階 >> 森美術館の紹介記事はこちら |
入館料 | 【日時指定】 平日:一般 1,600円、高大生 1,100円、4歳〜中学生 500円、65歳以上 1,300円 土・日・休日:一般 1,800円、高大生 1,200円、4歳〜中学生 600円、65歳以上 1,500円 【当日】 平日:一般 1,800円、高大生 1,200円、4歳〜中学生 600円、65歳以上 1,500円 土・日・休日:一般 2,000円、高大生 1,300円、4歳〜中学生 700円、65歳以上 1,700円 ※当日券は、日時指定券に空きがある場合のみ販売 ※詳細は公式サイトをご確認ください |
公式サイト | www.mori.art.museum |
問合せ | 050-5541-8600 (ハローダイヤル) |
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