幻の国宝・二大絵巻も里帰り!
「芸術×力」に焦点を当てたボストン美術館の至宝が来日
古代エジプト、アジア、ヨーロッパ、アメリカの美術をはじめ、古代から現代までの作品を収集し、そのコレクションの質の高さと百科事典的な幅の広さで知られるボストン美術館。2020年には設立150周年を迎え、現在も拡張を続けている。当初の予定から2年越しで開催される本展では、その貴重なコレクションの中から「芸術と力」に焦点を当てた約60点が来日する。
古今東西の権力者たちは、その力を示し、維持するために芸術の力を利用してきた。威厳に満ちた肖像画は権力を強め、精緻に描写された物語はその力の正統性を示し、また美しい工芸品は彼らの宮廷を彩り、ときに外交の場で活用されてきた。また、力をもつ人々は、自らも芸術をたしなんだほか、パトロンとして優れた芸術家を支援し、数多くのすばらしい芸術作品が生み出される土壌をつくったのだ。さらに、多くの権力者たちは貴重な作品を収集し手元におき、そのコレクションが今日の美術館の礎ともなっている。
本展では、エジプトのファラオ、ヨーロッパの王侯貴族から日本の天皇、大名をはじめ、古今東西の権力者たちに関わる作品を紹介。彼らが時に政治や外交に利用し、時に愛で、時に自らがたしなみ育んだ美術品およそ60点が展示され、その半数以上が日本初公開となる。
特に注目したいのは、里帰りを果たす作品群だ。日本に残されていれば国宝に指定されたと考えられ、ボストン美術館が誇る日本美術コレクションの中でも傑出した存在である二大絵巻《吉備大臣入唐絵巻》と《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》が約10年ぶりに揃って来日。また、伊勢長島藩主であった増山雪斎の代表作《孔雀図》は、本展のために修復され、初めての里帰りを果たす。
そして、力の象徴であるジュエリーや工芸の出品も見逃せない。世界で最も裕福な女性の一人とされたマージョリー・メリウェザー・ポストが所蔵していた大粒のエメラルドが施されたブローチや、元ファーストレディのアクセサリー、ナポレオンの最初の妻ジョセフィーヌ所縁の磁器など、女性たちに愛された作品が展示される。
ボストン美術館が誇る傑作を通して、私たちが鑑賞する芸術作品が本来担っていた役割や、力とともにあった芸術の歴史を振り返りたい。
展覧会名 | ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから) |
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会期 | 2022年7月23日(土)〜10月2日(日) |
休室日 | 月曜日(ただし8月22日・29日、9月12日・19日・26日は開室)、9月20日(火) |
時間 | 9:30〜17:30(金曜日は20:00まで) ※入室は閉室の30分前まで |
会場 | 東京都美術館 台東区上野公園8-36 |
観覧料 | 一般 2,000円、大学生・専門学校生 1,300円、65歳以上 1,400円 ※日時指定予約制 ※詳細はこちらをご確認ください |
公式サイト | https://www.ntv.co.jp/boston2022/ |
問合せ | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
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