日本の鉄道”始発駅『新橋ステーション』へようこそ

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室(汐留)

  • 2011/11/17
  • カルチャー
  • 博物館
旧新橋停車場 鉄道歴史展示室 《駅舎正面》 (C)東日本鉄道文化財団

摩天楼ひしめく汐留駅前を抜けると、ふいにレトロな一角と出くわす。威厳たっぷりに構えた洋館とアーチ状の柱が建ち並ぶプラットホーム。「旧新橋停車場 鉄道歴史展示室」は、建物自体が展示物のミュージアムだ。

明治5年10月、日本初の鉄道ターミナル「新橋停車場」が開業。その当時の駅舎外観を、同じ場所に再現したのが洋館の正体。重厚な石張りの外壁、細長い窓にほどこされたたばこの葉のレリーフ…。“文明開化”にわきたつ明治の風景が見事に再現されている。

本物の駅舎は関東大震災により消失。昭和61年に貨物駅としての役目を終えた後、平成3年から始まった発掘調査で開業時のプラットホームや駅舎の遺構が発見された。その遺構のほぼ真上に、開業直前に撮影された外観写真を手がかりとして忠実に模した駅舎を建築。かぎりなく実際に近い姿でよみがえった。周囲をひとめぐりすれば、壮麗な建築を楽しみつつ、明治のままの駅舎正面玄関の階段(一部)、プラットホームの遺構といった国指定の史跡にも出会える。

十分に外観を堪能したら、いざ館内へ。展示されているのは、駅舎基礎石の遺構と発掘調査の際に出土した品々。改札バサミや荷物札など当時の鉄道員が使った道具、旅客ののどを潤したであろう明治版ペットボトル――汽車土瓶、建設に携わった“お雇い外国人”の陶製パイプなど駅を行き交った人々の痕跡があざやかに残る。建物のみならず活気までも往時の様子を伝える『新橋ステーション』に、一度降り立ってみてはいかが。

お茶を入れる容器として用いられた汽車土瓶。ごみ穴から多量に出土したお茶を入れる容器として用いられた汽車土瓶。ごみ穴から多量に出土した。
「お雇い外国人」が持ち込んだとされる品々。ラムネ瓶、陶器のパイプ、皿などが出土した「お雇い外国人」が持ち込んだとされる品々。ラムネ瓶、陶器のパイプ、皿などが出土した。
新橋〜横浜間に日本初の鉄道を建設する際、測量の起点となった「0哩標識」を再現した新橋〜横浜間に日本初の鉄道を建設する際、測量の起点となった「0哩標識」を再現した。
展示室2Fは、企画展のフロア。鉄道の歴史や汐留界隈の郷土史をテーマにした企画展が開催される展示室2Fは、企画展のフロア。鉄道の歴史や汐留界隈の郷土史をテーマにした企画展が開催される。
2Fのディスプレイでは、当時の新橋停車場の様子や鉄道開業の経緯を伝える映像が楽しめる2Fのディスプレイでは、当時の新橋停車場の様子や鉄道開業の経緯を伝える映像が楽しめる。
1Fフロアに設置された、開業当時の遺構を間近で見学できるガラス床1Fフロアに設置された、開業当時の遺構を間近で見学できるガラス床。
開業当時のままに残る、駅舎玄関の階段開業当時のままに残る、駅舎玄関の階段。
再現された線路には、1873年イギリス製のレールを使用再現された線路には、1873年イギリス製のレールを使用。
当時のプラットホームを25mの範囲で再現。実際には屋根があったことがわかるよう白いフレームを建てた当時のプラットホームを25mの範囲で再現。実際には屋根があったことがわかるよう白いフレームを建てた。

基本情報

名称 旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
所在地 港区東新橋1-5-3
電話番号 03-3572-1872
料金(税込) 入場無料
営業時間 10:00〜17:00 (最終入館は閉館15分前まで)
休館日 月曜(祝祭日の場合、翌火曜)、年末年始、展示替え期間中
アクセス 都営大江戸線「汐留駅」徒歩3分
JR「新橋駅」徒歩5分
公式サイト https://www.ejrcf.or.jp/shinbashi/index.html

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