港区界隈の個性派 博物館
日本カメラ博物館
技術革新を見て実感!日本のカメラ産業の歴史 日本カメラ博物館

輸出検査法に基づき、1954(昭和29)年からカメラの製品チェックを行っていた日本カメラ財団。1989年に同法が廃止されると、文化活動へと移行。国産カメラの産業史を主軸に「日本カメラ博物館」を設立した。新機能などを搭載した歴史的カメラを毎年選定、収集し、公開している。

入口脇に設置された、明治・大正期の写真館をほうふつとさせるスタジオカメラに迎えられ、館内へ。展示ケースで半分に仕切られ、年代順の常設展と、テーマごとの企画展に分かれている。
 まず目に入るのは、堆錦(ついきん)カメラ。江戸時代に開発された初期の国産カメラで、模様が型押しされた漆の暗箱(カメラの胴体部)は、カメラと言うより芸術品の様相だ。
 希少なジルー・ダゲレオタイプ・カメラも展示されている。フランス人のダゲールが発明した世界最初の市販カメラで、銀に光を当てると黒くなる性質を利用し、ヨウ化銀を感光膜にした。晴天日でも撮影には20〜30分かかったという。日本にもダゲレオタイプ・カメラは輸入され、薩摩藩主の島津斉彬が研究対象として買い上げたとか。
 戦前から現代までのカメラは、5〜8年の間隔で棚に収められている。旧陸軍航空隊が使った「百式小型航空写真機」(1940年)、初めてストロボを組み込んだ「コニカC35 EF」(1975年)、初のAF一眼レフ「ペンタックスME-F」(1981年)、液晶モニターが初搭載された「カシオQV-10」(1991年)、デジカメ機能を付加した最初の携帯「シャープJ-SH04」(2000年)、世界初の腕時計型デジカメ「カシオ リストカメラ WQV-1」(2000年)など、今では当たり前の機能を搭載した最初のカメラに出会えるのが新鮮だ。
 また、外見がユニークなカメラを探すのも一興。懐中時計に組み込まれた「ラヂヲカメラ」(1912年)、映画『ローマの休日』で使われたライター型のカメラ「エコーエイト」(1951年)、日本サッカー協会公認「フットボールカメラ」(2002年)、nanoblockとコラボした「ペンタックス オプティオNB1000」(2010年)など、スパイ活動に使われそうな隠しカメラから、トイカメラまでさり気なく紛れている。

カメラの構造に関する展示もしっかり。各メーカーから提供を受けたスケルトンモデル、カットモデルが並ぶ。切断面を見ると、レンズが何枚も組み合わさっているのが一目瞭然。光学ガラスの材料、レンズの加工も段階ごとに説明があり、分かりやすい。写真用品のコーナーには、最初の自撮り棒、閃光電球、露出計などが置かれている。映画の小道具に使われることもあるのだとか。
 企画展は年3〜4回。近年は若い女性やカップルの来館者も増えつつある。手持ちのカメラの原型を探したり、昔の機種を触ったり、ハード面とじっくり向き合える場所だ。

    日本カメラ博物館
    (JCII Camera Museum)(半蔵門)
  • 千代田区一番町25 JCII一番町ビルB1F [MAP]
  • 03-3263-7110
  • 料金 一般300円(中学生以下無料)
  • 10:00〜17:00
  • 休館日
    月曜(休日の場合、翌日)、
    展示替え期間、年末年始
  • 半蔵門線「半蔵門駅」徒歩1分
  • webサイト
ジルー・ダゲレオタイプ・カメラ
チェリー
八九式活動写真銃改二
ソニー マビカ(試作機)
ヌルライカ
ステレオ写真のコーナー
スケルトンやカットモデル
スパイカメラコーナー
体験カメラコーナー

2016年1月取材/2016年2月更新