奈良美智原案のグループ展「Youth(仮)」。誰もが抱いたあの頃の感情を呼び起こす

Yutaka Kikutake Gallery(六本木6-6-9 ピラミデ2F)

  • 2021/6/2(水)
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奈良美智原案のグループ展「Youth(仮)」。誰もが抱いたあの頃の感情を呼び起こす

 日本を代表する現代アーティスト・奈良美智が、5名のアーティストにそれぞれ声をかけ実現したグループ展が、6月1日より再開。

 コロナ禍で世界中に閉塞感が充満する中、誰にも妨げられない強さを持っていたあの時代、無謀で知識はないが、感情に嘘がなかったあの青春時代(Youth)を取り戻したいと、本能的に本展のテーマを思いついたという奈良。そして、良い意味で今も恥ずかしげもなく青春しているアーティストや、Instagramで知り合ったアメリカの現役高校生などに声をかけ、年齢・住む場所・バックグラウンドも全く違う5名の作品で埋まる空間が出来上がった。

 雑多に作品が並び、奈良の私物のイスや絨毯が敷かれ、つけっ放しのテレビ、流れるレコードがBGMになった会場は、友達の狭い部屋に集まって、ダラダラしながら語り合った、まさにあの頃の居心地の良さ。「マスクを取っても分かり合える、最低限の密の空間をつくりたかった」という奈良の意図が、非常に良く表現された会場だと感じる。
 インタビュー映像内での、「今回の展示でYouthの力を自分がまだ持っていることを再確認できた。帰ってすぐにでも制作に取り掛かりたい気持ち」と若者のような生き生きとした笑顔で語る奈良の姿が印象的だった。

 なお、本展のために、さまざまな分野の人々が寄稿したオリジナルZINEも制作されており、こちらもかなり見応えがあるのでチェックしてほしい。また、ギャラリーの公式YouTubeで配信されている奈良美智のインタビュー映像は必見だ。

【会期】4月10日(土)〜6月19日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜18:00 ※土曜のみ予約制

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