愛や性、命をテーマに独特の淡い色彩で描くユートピア 架菜梨案 個展「Metamorphose」

禪フォトギャラリー(六本木6-6-9 ピラミデ2F)

  • 2022/8/18(木)
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愛や性、命をテーマに独特の淡い色彩で描くユートピア 架菜梨案 個展「Metamorphose」

 愛や性、命をテーマに独特の淡い色彩と自由な筆致で自身の思い描くユートピアを表現するアーティスト、架菜梨案(カナリア)の個展が開催中。

 架菜梨案は、多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業後、2014年に渡仏、パリのBeaux-Arts de Paris 修士課程へ進み、2017年に修了した。パリ国際芸術都市(Cité internationale des Arts)やマルセイユのCabane Georginaなどにレジデンス後、2020年に完全帰国。国内外で精力的に展覧会を開催している。
 禪フォトギャラリーでは2011年8月の個展以来、毎夏の開催が恒例となり今年12回目を迎えた。今回の個展「Metamorphose」では、以前から取り組んでいたアニメーション作品5点とそれをモチーフとした油彩やセラミック作品を展示する。
 自身の中から自然に湧き出てきたという「性」というテーマについて架菜梨案は、「生命の根源的なものであり、自然で温かなもの。暗くネガティブに捉えたり、隠したりしたくはない」と語る。今回の展示も、可愛らしい動物や鮮やかな色彩により「性」が明るく、ポジティブに表現されている。
 アクリル板に油彩で描いたモチーフを撮影して消し、次の動きを想像しながら描き撮影して消し、また次を描くという繊細な作業を繰り返して制作されたコマ撮りのアニメーション作品が特に印象的だ。魚がカエルになりウサギからヘビやトカゲになり、そして人間となり、鳥となって飛び立っていき、また魚から始まる様子が、聖なるイメージを持つという鐘の音や赤ちゃんの泣き声とともに流れるように表現される。

 作品を前に「動物も人間も植物もみな同じ。自由に、何者にもなれる。命はみんな一緒でみんな繋がっている、ということを表現したかった」と語る架菜梨案。
 「性」や「共生」といった時に暗く、難くなりがちなテーマも、どこか温かくほんわりとした空気感の中で自然に向きあうことができる魅力が作品にあふれている。

【会期】8月12日(金)〜9月10日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜19:00

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