「泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展V 古美術逍遙―東洋へのまなざし」プレス内覧会

泉屋博古館東京(六本木1-5-1)

  • 2022/9/9(金)
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「泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展V  古美術逍遙―東洋へのまなざし」プレス内覧会

 リニューアルオープン展パート3は古美術の世界を案内!古くより人々のまなざしを集めてきた東洋美術の名品の数々を、京都・東山の泉屋博古館より、国宝2件・重要文化財10件を含む79点を一挙に紹介する特別展が開催されている。

 開催に先駆けたプレス内覧会では野地耕一郎館長より、「本展では前漢時代(紀元前2世紀)から江戸時代(19世紀)の東アジア(中国・韓国・日本)の美術作品を展観している。明末清初の混沌とした時代を生き抜いた作者による作品からサロン文化を具現化したような茶文化にまつわる作品まで、バラエティ豊かな古美術の名品が一堂に会する機会。現代も混沌とした状況にあるが、一服の清涼剤のような展覧会になれば」と冒頭の挨拶を述べた。

 続いて本展を担当した、京都の泉屋博古館学芸員・竹嶋康平氏より鑑賞ポイントなどについて興味深い解説があった。
 第1展示室にある中国絵画、石濤《廬山観瀑図》重要文化財 清時代 17〜18世紀には、大きな滝と人物が描かれているが、その視線は滝の方向を向いていない。これは滝や周囲の環境が壮大すぎるがゆえに、まだ滝の場所を音をたよりに耳で探っている状況とのこと。中国絵画には必ず画の世界に誘ってくれるモチーフ(人物や舟など)が描かれているので、その目線を通して全体を見るとより、バーチャルリアリティーのように画中の世界を楽しめると話す。
 また、第2展示室に展観されている《線刻仏諸尊鏡像》国宝 平安時代12世紀には、鏡面に精緻に描かれた仏像が光の反射を利用して浮かび上がるように表現されているので、背伸びをしたりしゃがんだりして目線の高さを調整して見ると分かりやすいとか。
 その他、第3展示室で見られる《小井戸茶碗 銘 六地蔵》朝鮮時代 16世紀は、住友家12代当主の友親があまりに高値で入手したため、お蔵入りとなり、亡くなるまで一度も使わせてもらえなかったという逸話なども紹介された。

 鑑賞の楽しみと理解を広げてくれる竹嶋氏による解説は会期中に開催されるスライドレクチャーでも伺うことができる。ぜひ、古美術を難解なものとして身構えず、気軽に散歩(逍遙)するような気持で見てほしい。

【会期】9月10日(土)〜10月23日(日)※会期中展示替えあり
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌平日休館)
【時間】11:00〜18:00(金は19:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
※各イベントの詳細は泉屋博古館東京ホームページより確認ください。

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