なにわのアートコレクション、紀元前から近代まで東京に大集合!

サントリー美術館

  • 2022/9/13(火)
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なにわのアートコレクション、紀元前から近代まで東京に大集合!

 日本で三番目の公立美術館として、昭和11年(1936年)に開館した大阪市立美術館。長年にわたり築かれたコレクションは、日本・中国の絵画や書蹟、彫刻、工芸など8,500件を超える。大阪でもそろって展示されることが滅多にない名品を、館外で一堂に堪能できる初めての展覧会「美をつくし―大阪市立美術館コレクション」展が開催されている。

 プレス説明会では、大阪市立美術館 学芸員の山下真由美氏とサントリー美術館 主任学芸員の上野友愛氏が登壇。
 山下氏によると、大阪市立美術館はとりわけ関西の財界人によるコレクションをまとめて収蔵する点に特徴があり、時代も紀元前から近代、古美術に限らず新しい美術品まで実に多彩とのこと。
 また上野氏によると、本展は見どころ満載だが、中でも異次元級の古さ(紀元前14〜11世紀 殷(商)時代)の「青銅 饕餮文斝」や、コレクション第一号である、橋本関雪「唐犬」昭和11年(1936年)は必見。圧倒される大きさのあまり設置作業の様子をサントリー美術館のSNSでも紹介している。巨大作品の一方、スイス人実業家U.A.カザールによる根付コレクションは、趣向を凝らしたこまやかな細工とともに、洒落っ気たっぷりの意匠が特徴で、思わず「なにコレ!?」と心の中で叫びたくなるほどの愛らしい作品。ぜひ一つひとつの表情をじっくり鑑賞してほしいとのこと。
 展覧会名「美をつくし」は、大阪市章にもかたどられる「澪標(みおつくし)」になぞらえたもの。航路の安全のために設けられた標識「澪標」のように、美の限りをつくしたコレクションの世界へ身をつくしてご案内するという意味合いがあり、英題に表記されているBeauty Galoreとは、「作品づくしで、バラエティに富んで目移りするほど」という意味が込められている。大阪でも滅多に見られない厳選されたコレクション143件(重要文化財14件)を一堂に展観する貴重な機会。「なにコレ ポイント」と表記されたキャプションとともに堪能して頂きたいと上野氏から説明があった。

 大阪市立美術館の建物は登録有形文化財(建造物)に指定されているが、開館90周年(2026年)を前に大規模な改修工事が行われることとなり、エントランスを彩っていたシャンデリアも撤去の可能性があるそうだ。その優美な姿がサントリー美術館の会場でも吹き抜けスペースに映像で表現されているので、ぜひ注目してほしい。

【会期】9月14日(水)〜11月13日(日)※作品保護のため、会期中展示替あり
【休館日】火曜 ※11月8日は18:00まで
【時間】10:00〜18:00 ※金・土曜および9月22日(木)、10月9日(日)、11月2日(水)は20時まで ※入場は閉館の30分前まで
【画像】「美をつくし―大阪市立美術館コレクション」展示風景

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