「マジカル大冒険　この街で、アートの不思議を探せ！」をテーマに3年ぶりに開催された「六本木アートナイト2022」のイベントの一つとして、日本でただ一人しかいない「アートテラー・とに〜」による、オフィスワーカー限定のアートの不思議を探すツアーが開催された。

 アートテラー・とに〜氏は千葉大学卒業後、吉本興業の芸人としてデビューするも、アートの楽しさを一人でも多くの人に伝えたいと、世界でただ一人の職業・アートテラーに転向。以来、芸人時代に鍛えたトーク力と笑いのセンスを武器に、美術館での講演や執筆、アートツアーなど幅広くアートの啓蒙活動を続けている。

 本イベントでは事前抽選による15名が参加。村上隆による過去最大級のバルーン作品「ドラえもん」と村上氏がキュレーションしたアーティストによる「ドラえもん」をはじめ、スポーツ観戦の応援などで使用されているスティック型バルーンを1万個以上使用して制作されたインスタレーションのデイジーバルーン《Wave》、約60台の車椅子が5メートルほどの高さに積み上げられた、檜皮一彦の立体作品《HIWADROME TYPE ε》、コンセプチュアル・アートの巨人ローレンス・ウィナーによる言葉と文字をモチーフにした作品《HERE FOR A TIME THERE FOR A TIME & SOMEWHERE FOR A TIME》など、街なかインスタレーションをとに〜氏の解説を聴きながら鑑賞した。

 軽妙洒脱で分かりやすいとに〜氏の解説は、少し難解と思われがちな現代アートも身近に感じさせてくれる。参加者たちはツアーをとおしてアートの魅力と新しい楽しみ方を見つけたようだ。