圧倒的な迫力を放ち、かつ刹那的な気配も漂わせる都市風景を描く田島大介の個展が、画集『BEYOND THE LINES』のリリースに合わせてA/Dギャラリーで開催されている。

 田島大介は1993年奈良県生まれ。愛知県立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻卒業後、台湾へ留学。自らの想像と、台湾や香港、中国大陸を旅して得た記憶を組み合わせ、平面、立体、複製物など多様な媒体を駆使しながら制作を展開。「Tokyo Midtown Award 2015」アートコンペ部門のグランプリなど受賞している。

 吸い込まれそうなほど壮大な都市風景が会場に広がる。
 架空の都市ながらそこにリアルに存在するように見えるのは、緻密に計算された設計図にも似た細やかな構図があるからだ。よく見ると下書きの鉛筆の跡がそのまま残されている部分がある。仕上げは丸ペンと証券用インクが使用されているという。描き手の衝動がそのまま注入されたアグレッシブな線が画面を縦横無尽に疾走し、交錯し、その集積で生み出される世界観の独創性は唯一無二である。

 本展では制作に1年以上を要したという画集掲載の大作を中心に展示。平面表現の可能性を更新しうる田島大介の創造性をぜひ、目の前の大画面でご覧いただきたい。

【会期】9月16日（金）〜10月10日（月・祝） ※会期中無休
【時間】12:00〜20:00