NACT View 01 玉山拓郎 Museum Static Lights

国立新美術館

  • 2022/9/30(金)
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NACT View 01 玉山拓郎 Museum Static Lights

 国立新美術館では2022年より新規事業として美術館のパブリックスペースを使った小企画シリーズ「NACT View」を開催している。
 記念すべき第1回目に登場するのは新進気鋭の現代美術家・玉山拓郎が魅せる光の空間だ。

 既存の空間を見知らぬ風景に変容させることを得意とする玉山氏は、これまで日用品や家具といった既製品や鮮烈な色彩を放つ蛍光灯を組み合わせることで、空間自体を体感させるような作品制作を行ってきた。
 今回の展示では、黒川紀章氏デザインの高さ16m、8mの逆円錐形をした、美術館ロビーのなかでも中心的な存在感を放っている2つのコンクリートコーンに着目。玉山氏はこのコーンの形状をモチーフとして扱い、美術館の空間全体にまで意識を誘うような効果を及ぼす光の作品を生み出した。
 2つのコーンを表す蛍光灯のオブジェが、それぞれのコーンに呼応するかのように美術館ロビーの両端に設置されているが、この蛍光灯のオブジェは日中は外光の明るさに溶け込み、また日が暮れた頃には発光するような存在感を発揮するため、訪れる人が持つ印象は時間帯によって大きく異なる。ロビーに広がる蛍光灯の光は、建物の外からも垣間見ることもでき、本作品によって美術館の周囲に新たな風景が生まれている。展示期間は12月26日(月)まで。休館日は火曜。美術館の開館時間に準じて公開される。

 なお、「NACT View」シリーズは、展覧会を鑑賞する人だけでなく、カフェやレストラン、ライブラリーといった施設の利用者から、建物を通り抜ける人まで、美術館を訪れるあらゆる人が、気軽に現代の表現に親しめる機会となることを目指している。今後、本シリーズと連動したワークショップやトークなども開催される注目の新企画だ。

【画像】玉山拓郎《Museum Static Lights:The National Art Center, Tokyo》 2022年 国立新美術館 展示風景 撮影:大町晃平

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