くまをモチーフにした食器や置物、動物の絵付けの器、こけしの徳利、だるまのぐい呑など、さまざまな作品のバリエーションをもつ陶芸家・増田光の個展がA/Dギャラリーで開催中。

 増田光は1985年神奈川県横浜市生まれ。武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科で陶芸を学んだ後、常滑を代表する陶芸作家、吉川千香子氏のアシスタントを４年務める。2012年独立。現在は愛知県常滑市にて制作を続けながら全国各地で個展を開催している。

 本展開催にあたり増田氏は、
 「餃子、ラビオリ、エアディフレクター。音の振動の幅くらい狭い狭い空間。狭いは心地よい。
 ぺやぺやはぺらぺらの意味を持ちます。1人だけ挟まれるくらいのスペースのイメージを広げてみました。」
とコメントを添える。

 その、心地よい狭さのイメージを広げてみたという展示スペースには、本展のテーマ「ぺやぺや」という言葉のもつイメージをかたちにした新作が並ぶ。まるで気心知れた友達の家を訪ねるような懐かしさや温かさが感じられる空間だ。「可愛いものが好きだけど、かわいすぎるものは嫌い」「ちゃんと使えるを大切にしたい」という増田の手から生み出される作品は、開催初日には整理券も配布されるほどの人気ぶり。ほどよいかわいらしさと実用性が、和洋様々な食卓のシーンなどに馴染む様子が楽しく創造できる。

 いつもどこかで出会ったことがあるような懐かしさと新鮮さ、そしてなにものにも囚われない自由な姿で、観る者を驚きと歓喜で魅了する作品たちが迎える「ぺやぺや」な空間を楽しんで。

 会期は1月9日（月）まで。会期中無休、時間は12:00〜20:00。写真は展覧会初日の様子。