江口寿史個展「NO MANNER」

Kaikai Kiki Gallery(元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1)

  • 2023/1/19(木)
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江口寿史個展「NO MANNER」

 マンガ家にして、イラストレーター、最近ではそのジャンルを超えて「絵師」としてクリエイティブ業界全体に影響を与え続ける江口寿史。Kaikai Kiki Galleryでは初の個展「NO MANNER」が開催中。

 江口寿史は、漫画が日本文化の一大産業と言える規模に拡大した1980年代に、代表作『ストップ!! ひばりくん!』、『すすめ!!パイレーツ』などギャグ系の漫画で業界を牽引してきた。その後、女性を美しく描くことに集中し始め、「彼女」展を2018年から金沢の21世紀美術館を皮切りに全国で開催。2021年にはイラスト集『彼女』(2021年 集英社インターナショナル)を刊行するなど、現在でも第一線で制作を続けている。

 同ギャラリー初の個展である本展では、新作ペインティング15点が出展。いずれも江口氏の原画を元にカイカイキキの工房で制作を行い、江口氏のチェックや微調整を重ねて完成した作品群である。

 最初の空間でまず目を惹きつけるのは、カウガールが並ぶ大型で迫力のある作品群。アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインの作風のように表現された作品は、大量生産、消費される現代美術マーケットへのメッセージも込められているかのようだ。
 次の空間では、最新のファッションやカルチャーを取り入れた身近にいそうな「彼女」たちの表情が、本会場ならではの畳敷きの空間と相まって、どこか懐かしくやわらかな雰囲気を醸し出している。

 取材当日は外国人の来廊者も多く見られ、あらためて江口氏の幅広い人気が伺えた。1月29日(日)には、江口寿史、村上隆、両氏によるギャラリートークも開催される予定。
 アートと漫画の境界線を融解させた新たな世界を体感してほしい。

【会期】1月17日(火)〜2月7日(火)
【休廊日】日月祝
【時間】11:00〜19:00
【画像】 Courtesy of Kaikai Kiki Gallery ©Hisashi Eguchi

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