ヤン・ゲルストバーガー 「ECCHYMOSES」

タカ・イシイギャラリー(六本木6-5-24 complex665 3F)

  • 2023/1/24(火)
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ヤン・ゲルストバーガー 「ECCHYMOSES」

 タカ・イシイギャラリーでは、メキシコを拠点に活動するフランス人アーティスト、ヤン・ゲルストバーガーによるアジアではじめての個展「ECCHYMOSES」が開催されている。

 「ECCHYMOSES」を訳すと「斑状出血」と記される。皮膚に損傷はなく、微小血管だけがダメージを受けた場合に皮下に血液が閉じ込められることにより人体に現れるアザや血腫のことを意味する。
 本展は、この斑状出血を絵画のメタファーとして構成。身体にある種の染みを生じさせるような外傷を被った際に現れ、回復の過程として変化し続ける、色とかたちの抽象―ゲルストバーガーは斑状出血をそう捉え、今回のシリーズを制作したという。

 展示されているのは中型サイズのコラージュ・ペインティング7点で、それらはさまざまな布をパッチワークのように貼りつけたり縫いつけたりしたキャンバスに、重ねるようにオイルパステルで鮮やかな色を加えた作品である。大型のタペストリーも1点展示されているが、これは作家が独自に考案した手法で制作したもの。元はモップだったコットン繊維を手染めし、工業用の布なども取り混ぜながらラグの上に接着することで、色彩豊かな画面を丁寧に作り出している。

 自身が好きな音楽や詩のイメージも取り入れたという作品には、「斑状出血」という言葉からは想像できないほど、明るく、躍動感や生命力にあふれている。どこかプリミティブな雰囲気は多様な民族性や人間本来の強さなども表しているようだ。ぜひ、先入観なく、作品そのものを楽しんで。

【会期】1月21日(土)〜2月18日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜19:00

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