ガヒ・パク「EVENINGNESS」

ペロタン(六本木6-6-9 ピラミデ1F)

  • 2023/1/25(水)
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ガヒ・パク「EVENINGNESS」

 ペロタン東京では、カナダのモントリオールを拠点に活動する韓国人アーティスト、ガヒ・パクの個展が開催中。すべて日本初公開となるペインティングとドローイング作品により展開されている。

 生まれ育ったソウルや、米国で生活を始めた当初の観察からインスピレーションを得たパクのペインティングは個人的かつ幻想的であり、日常にある物や行為を挑発的に描いた場面を通して、家庭内における親密性や欲望を探究している。

 会場には、少し早い春の訪れをイメージさせるような、スモーキーピンクが印象的で華やかな作品が並ぶ。絡み合う人物や独りの瞬間を捉えたものが中心でありながら、パクの作品は静物画というジャンルに根ざしている。作品をよく見ると、小さなアリやハエ、ナメクジ、細く尖った爪をした指などが描かれているが、周囲に描かれたそれら細部は、性的興奮や恋の始まり、官能性や支配性などを暗喩しており、作品の物語や文脈を伝えるうえで重要な役割を果たしているという。たしかにそれらが存在することでより生々しく、より艶めかしく感じられるようだ。
 また、本展の作品の多くは、時間の経過について探究しており、パクは季節と光の変化を利用しながら、過去・現在における特定の瞬間に言及している。
 会場2つめの空間に展示されている9つのシュリンプカクテルの絵にも様々な時間帯が描写されている。まるで人のようにも見えるエビをとりまく、映画のような出来事の連続性をほのめかしているようだ。

 単にパステル調の華やかな静物画に留まらない、パクの壮大な想像力を目の当たりにする貴重な機会に注目したい。

【会期】1月18日(水)〜2月25日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜18:00
【画像】Exhibition views of GaHee Park "Eveningness" at Perrotin Tokyo. Photo by Keizo Kioku. Courtesy the artist and Perrotin.

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