赤瀬川原平写真展「日常に散らばった芸術の微粒子」Selected by 伊藤存・風間サチコ・鈴木康広・中村裕太・蓮沼執太・毛利悠子

SCAI PIRAMIDE(六本木6-6-9 ピラミデ3F)

  • 2023/1/27(金)
  • イベント
  • フォトニュース
赤瀬川原平写真展「日常に散らばった芸術の微粒子」<span>Selected by 伊藤存・風間サチコ・鈴木康広・中村裕太・蓮沼執太・毛利悠子</span>

 前衛芸術家のみならず、芥川賞作家、そして写真家としても多彩な活躍をした赤瀬川原平。自宅に残されている未発表の写真の中から、6名の現代美術アーティストが選んだ約120点を紹介する展覧会が開催中。

 1980年代から、街中にある看板、人の顔のように見える建造物、用途不明の階段や煙突などを撮影する「超芸術トマソン」や「路上観察学会」と名付けた活動を開始するなど、「観察」することを表現の原点にし、何気ない日常のなかに芸術を見出した赤瀬川。
 そんな彼の書斎には16段の大きな引き出しがある。そこには1985年から2006年までに撮り溜めた35ミリのリバーサルフィルムが丁寧に保管されており、写真は4万点近くに及ぶ。

 本展ではそれら未発表の貴重な写真の中より、赤瀬川の活動をリアルタイムに知る最後の世代と考えられる70〜80年代生まれのアーティストから、赤瀬川に何らかの影響を受けた、伊藤存・風間サチコ・鈴木康広・中村裕太・蓮沼執太・毛利悠子の6名がそれぞれ約20枚ずつ選択。思い入れなどを込めたコメントと共に展示している。
 4万点もの膨大な数の中から20枚をチョイスするだけでも、並々ならぬ熱意と敬意がいる作業である。そのようにして選ばれた写真は、すべて赤瀬川の作品と思えないほど、バラエティ豊かで、かつ、それぞれを選んだアーティストの個性まで表れているようだ。
 一部の作品には、アーティストが新たに創作したタイトルも付記されており、写真と重ねあわせて見ると、思わず、クスっと笑ってしまいそうになる。

 赤瀬川独自の視点で切り取られた風景に、現代のアーティストの視点が重ねられることを試みた企画でもある本展。
 日常に散らばった芸術の微粒子と、それらが集まって一つになるものを探して愉しめるような、どこか温かな空間となっている。

【会期】1月26日(木)〜3月25日(土)
【休廊日】日月火水祝
【時間】12:00〜18:00

記事を探す

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。