ドウブツ・イロ・カタチ 近藤憲昭×北嶋勇佑

ヒデハルフカサクギャラリー ロッポンギ(六本木7-8-9 深作眼科ビルB1/1F)

  • 2023/2/2(木)
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ドウブツ・イロ・カタチ 近藤憲昭×北嶋勇佑

 Hideharu Fukaskaku Gallery Roppongi では、鮮やかな色を使いこなす版画作家の近藤憲昭、北嶋勇佑の2名による、「動物」をモチーフにした作品を紹介する二人展が開催されている。

 近藤憲昭(こんどうのりあき)は1962年岐阜県生まれ。1984 年日本版画協会展を皮切りに、ポーランド・ドイツ・ウクライナ・フィンランド・カナダ・スペイン等の国際版画展にも参加。国内外で精力的に作品を発表している。
 会場地下1Fには、イヌ、ネコ、ハシビロコウにカメやイルカなど、動物を面的に捉え、色彩豊かに表現された近藤の世界が広がる。元々は近藤が得意とするモノクロの立体物の中に付着するように描かれていた動物たち。「体の形や毛並みなどを表現するために、感性をもとに色をつけている」というそれぞれの動物は、新たな命を吹き込まれて主役として飛び出てきたようだ。思いのほか小さい作品ながらも存在感があり、そのまま服やバッグにプリントしたいほど、愛らしく、洗練されたデザインだ。

 1Fには、重厚感がありながらも、瑞々しさあふれる表現が特長の、北嶋勇佑(きたじまゆうすけ)の作品が並ぶ。北嶋は、1989年東京生まれ。木版画とモノタイプ(1点刷り版画)の技法をミックスした独自の手法「木版モノタイプ」を用いて、暮らしの中から見つけた光景の描写を得意とする。
 「鑑賞者のアートへの入り口の狭めないよう、安心感を与えるように動物たちの基本のフォルムを保ちつつも、想像上の強い色味とフォルム、どちらも美しく表現することを大切にしている」と語る北嶋。版画ではあまり使われない油絵具を使用し、筆の置き方や手により、渦のような毛並みや厚みのある肌感が表現された動物たちは、和洋いずれの雰囲気にも馴染み、どこか懐かしい空気感を放つ。

 今回の展示のフライヤー作成にあたり、両氏の打ち合わせなくそれぞれが提出した作品がどちらもハシビロコウという、初顔合わせとは思えないほどシンクロする二人。同じ版画、同じ動物でも全く異なる表情を楽しめるのが面白い。ポップさと重厚さ、ベテランの洗練された感性と若く瑞々しい感性との化学反応を楽しみたい。

 写真左より近藤憲昭氏、北嶋勇佑氏

【会期】1月30日(月)〜2月15日(水)
【休廊日】日祝
【時間】11:00〜19:00(最終日は17:00まで)

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