「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」プレスプレビュー

東京シティビュー(屋内展望台)

  • 2023/3/16(木)
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「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」プレスプレビュー

 世界が最も注目するデザイン集団のひとつ、ヘザウィック・スタジオの主要プロジェクト28件を東京シティビュー(屋内展望台)の天空の大空間を活かして紹介する日本初の展覧会開催に先駆けてプレスプレビューが開催された。

 今秋に完成予定の日本では初めてのへザウィック・スタジオ建築となる《麻布台ヒルズ/低層部》をはじめ、東京の街が一望できる会場のエントランス。近未来都市のような空間でまず目を惹くのは、ロンドン市内を走る二階建てバス原寸大模型(部分)。50年ぶりにデザインをリニューアルしたのもヘザウィック・スタジオだ。そして、空気の流れをデザインに取り入れたという、走行中に空気を浄化する電気自動車《エアロ》。いずれも、閉鎖的になりがちな空間を人と人が自ずと出会い、会話が始まるような開放的なデザインとなっている。

 プレビューでは、森美術館館長 片岡真実氏による作品解説ガイドも行われた。
 《ロンドン・オリンピック聖火台》2012年の模型展示前では、参加国数と同じ204のパーツで制作され、開催終了後に各国に贈られたエピソードが。小さなものが集まってみんなが繋がるという、へザウィック・スタジオの姿勢が垣間見られるという。
 《麻布台ヒルズ/低層部》の展示では、5階建てほどの高低差がある地形を活かした設計、地元の専門家と相談し、四季すべてに何かしらが咲いているような植栽が行われていることや、ゴツゴツとした自然石が埋め込まれた、表情が見えるようなコンクリート床などに特長があると解説。職人技が大好きなトーマス・ヘザウィックらしく、江戸切子のランタンを模したスペースも作られているという。
 また、本展のメインビジュアルにも使用されている《リトル・アイランド》はタイタニック号が到着するはずだった地に思いを馳せて設計されたとの秘話も。
 いずれの建築も、自然界のエネルギーや建築物の記憶を取り込みつつ、都市計画のような大規模プロジェクトもヒューマン・スケールが基準になるという信念に基づいて作られているという。

 会場最後には、駒の形のような回転椅子《スパン》に座って展望台からの景観を楽しめる空間もある。宙に浮いているような不思議な座り心地を楽しんでみては。

【会期】3月17日(金)〜6月4日(日)※会期中無休
【会場】東京シティビュー
【主催】森美術館
【時間】10:00〜22:00※入場は閉館の60分前まで
【画像】トーマス・ヘザウィック(展覧会会場にて)

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