森美術館開館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 プレス説明会

森美術館

  • 2023/4/18(火)
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森美術館開館20周年記念展 ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 プレス説明会

 本展の開幕に先がけて4月18日(火)にプレス説明会が開催された。

 出展者を代表して宮島達男氏が挨拶。本展のコンセプトなどについて、ほぼ、リリース内容のまま読み上げると、「ここまでは、片岡館長の展覧会コンセプトの文言を入れて、Chat GPTが挨拶として作成した内容です(笑)。ここからはChat MIYAJIMAでお送りします」と次のように続けた。

 「本展のテーマは学校で習う科目や日本の暗記型、詰め込み型の教育が果たして未来を作れるのかという批判も含む、エスプリの効いたテーマだと思います。コロナや相次ぐ紛争など、困難な問題に対し、これまでの『経験値』が役に立たない状況に直面しています。そのような時代にアートの世界が重視する『直観値』から俯瞰し、そして深堀することが重要であると考えます。今こそ、Chat GPTでは見つけることができない、複雑で困難な問題を乗り越え、世界をクリエイティブに変化させていく力を養う、現代アートをベースとした教育の必要性を感じます」。

 本展では、20世紀の美術史のなかで最も影響力のあるアーティストのひとりヨーゼフ・ボイスが初来日した際、東京藝大の講義で使用し、筆跡が残された黒板が展示されているが、まさに当時、その黒板の横で司会をしていたのが学生時代の宮島氏だった。当時は「ボイスが何を言っているのかさっぱり理解できなかった」と語る宮島氏は、年齢を重ね、ようやく少しずつ理解できるようになったという。そして「なんとなく分からないものを、隣にいても違和感のないかたちで受け入れていく」ことこそが、今日の言論や宗教、人種、ジェンダーのような差異を共感で乗り越え、結びつける力になるのではないかと語る。「現代アートは私たちの傍にあり、新たな知見を与えてくれるもの」と結んだ宮島氏ならではのウィットに富んだ挨拶に参加者一同聴き入っていた。

 会場には、多様性や普遍性をテーマとした54組 約150点(うち約90点が森美術館コレクション)の作品により「世界の教室」が創出される。

 写真はフォトセッションの様子。左より奈良美智氏、ヤン・ヘギュ氏、森美術館館長・片岡真実氏、宮永愛子氏、宮島達男氏、高山明氏

【会期】4月19日(水)〜9月24日(日)※会期中無休
【時間】10:00〜22:00(火曜は17:00まで)※ただし5月2日(火)、8月15日(火)は22:00まで ※入場は閉館の30分前まで

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