松谷武判「Matsutani Hardedge 1970’s」

TARO NASU(六本木6-6-9 ピラミデ4F)

  • 2023/9/28(木)
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松谷武判「Matsutani Hardedge 1970’s」

 木工用ボンドを用いた抽象絵画作品をはじめ、平面、立体、パフォーマンスなど多彩な作品を発表し続ける現代美術家、松谷武判の個展が開催中。

 松谷武判(まつたにたけさだ)は1937年大阪生まれ。元々は日本画を学んでいたが、1960年より具体美術協会のリーダー、吉原治良に師事。ボンドを用いた独創的な作品が認められ、1966年フランス政府留学生選抜第1回毎日美術コンクールでグランプリを受賞したのちに渡仏。1967年S・W・ヘイターの版画工房に入り、数々の国際版画展で入賞を果たす。近年では2019年にポンピドゥーセンターでの個展を開催するなど、パリを拠点に世界の第一線で活躍している。

 TARO NASUでの初個展となる本展では、1972年から73年にかけて描かれた貴重な「ハードエッジ」シリーズのペインティングを中心に、近作を含む約20点の作品を展示し、その後の作品群へと続く作家の思考の展開を読み解くことを試みる。
 1970年代にNY界隈の画廊で全盛期を誇っていたHard edge painting。平面的な形態とシャープな輪郭に特徴のある技法だが、松谷の「ハードエッジ」は、より色彩豊かな色面構成と即興性や偶然性を排除した緻密な構図のバランスを特徴とする。会場の空気感が引き締まるような構成でありながら、どこか温かみも感じられる絶妙なバランスの作品群。そして松谷の代名詞でもある盛り上げたボンドが特徴的な近年の作品もあわせて紹介されている。

 80歳を超えてもなお、精力的に活動を展開する松谷の積み重ねられたセンスと闘志一念が感じられる空間だ。

【会期】9月22日(金)〜10月21日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】11:00〜19:00

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