森美術館開館20周年記念展 「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」プレス説明会

森美術館

  • 2023/10/17(火)
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森美術館開館20周年記念展 「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」プレス説明会

 環境危機に対し、現代アートがどのように向き合い、私たちの問題としていかに意識が喚起されるのか。世界16か国、34人のアーティストが作品に込めたコンセプトや隠喩、素材、制作プロセスなどを読み解き、ともに未来の可能性を考える展覧会が開幕。一般公開に先駆けてプレス説明会が開催された。

 本展開催にあたり、片岡真実 森美術館館長は、「10月18日で森美術館開館20周年を迎えます。本展はその記念展の第2弾として、未来に向けて世界の喫緊の課題である環境危機に現代アートの観点から対峙しようとするものです。タイトルにもある“エコロジー”は、環境問題に限らず、各国のエネルギー競争や先進国と途上国の格差、これまで人類が行ってきた営みなどが複雑に絡み合ったものを意味しています。今こそ、これらの問題を自分たちの問題として考えるため、本展が皆さんの意識を喚起する機会になればと思います」と挨拶を述べた。

 会場には、本展終了後にセメント原料として再利用される貝殻を、観客が踏みしめる感覚と音を体験できるニナ・カネルの大規模インスタレーション、六本木ヒルズから銀座までの道すがら発見されたものを床に組み込んだケイト・ニュービーのインスタレーション、養殖真珠を主題としたモニラ・アルカディリの新作、森美術館周辺の植物をラーニング・プログラム参加者とともに調査・採取して押し花にしたジェフ・ゲイスの作品、ゴミを高温で溶解させたスラグと大理石を並置する保良雄のインスタレーション、ビキニ環礁で第五福竜丸が被爆した事件を扱った、桂ゆきの絵画作品など、実に多様な作品が展示されている。アピチャッポン・ウィーラセタクンの作品をはじめ、見ごたえのある映像作品も多いので、時間に余裕をもってゆっくりと向き合いたい。

 本展は環境問題をはじめとするさまざまな課題について多様な視点で考えるきっかけになるとともに、サステナブルな展覧会制作などの取り組みを通して、未来に向けた森美術館の姿勢も伺える機会となるだろう。

【会期】2023年10月18日(水)〜2024年3月31日(日)※会期中無休
【時間】10:00〜22:00(火曜は17:00まで)※ただし10月26日(木)は17:00まで、1月2日(火)・3月19日(火)は22:00まで ※入場は閉館の30分前まで

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