SCAI PIRAMIDE SCREENING PROJECT vol. 2 Inextinguishable Fire (消えない炎)

SCAI PIRAMIDE(六本木6-6-9 ピラミデ3F)

  • 2023/10/27(金)
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SCAI PIRAMIDE SCREENING PROJECT vol. 2 Inextinguishable Fire (消えない炎)

 SCAI PIRAMIDEでは、ハルーン・ファロッキ、ウィル・ローガン、ヴァジコ・チャッキアーニ、アピチャッポン・ウィーラセタクンによるスクリーニングプロジェクトvol.2が開催中。「火」をモティーフに描かれる三者三様の映像世界を紹介するとともに、テーマに沿ってセレクトされた立体作品およびインスタレーションが展示されている。

 第一室では、チェンマイの緑豊かな自然に火の粉の輪郭が重なっていく様子が独特の魅力を放つ、アピチャッポン・ウィーラセタクン(1970年タイ生)の《Fire Garden》(2016年)が投影されている。低画質カメラで撮影されたゆえに一層、きらめいて見える映像が周りの空気感も引きこみ、彫刻作品のようにも感じられる。

 第二室では、大型のスクリーンで3名の作品を贅沢に鑑賞できる。
 中年男性が幼少期を過ごした家に火をつけ、凄まじい勢いで燃える様子が衝撃的な、ヴァジコ・チャッキアーニ(1985年ジョージア生)の新作「The Warm Winter Sun」(2022年)は、過去との決別を果たそうとする男の強烈な行為に疑問を呈しているようにも思える。
 ウィル・ローガン(1975年アメリカ生)については、4秒間の霊柩車の爆発の瞬間を、スローモーションによって超現実的な8分間の出来事へと転じた映像作品《The Eraser》(2014年)を紹介。
 ハルーン・ファロッキ(1944年チェコスロバキア生、2014年没)は、《Inextinguishable Fire》(1969年)によるベトナム戦争についての考察を巡り、時代を超越した当事者性を我々の眼前に突き付けてくる。

 通り過ぎた歴史とそれらが残した傷跡。 個人においても、グローバルな社会的領域においてもそれらは果たして消し去ることが出来るのか。火は燃え続け消すことができない。
 紛争が絶えない現代において「火の中をどれだけうまく歩くか」という視点を四者の作品が示しているのかもしれない。

【会期】10月20日(金)〜12月16日(土)
【休廊日】日月火水祝 ※Art Week Tokyo期間 : 11月2日(木)、3(金・祝)、4日(土)はオープン
【時間】12:00〜18:00
【画像】Vajiko Chachkhiani "The Warm Winter Sun" 2022, Single channel 4K video (color, sound) , 18min 7sec

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