「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」プレス内覧会

森アーツセンターギャラリー

  • 2023/12/8(金)
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「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」プレス内覧会

 ポップでカラフルな作風で知られるキース・ヘリングだが、彼の名を馳せるきっかけはモノクロームの世界「サブウェイ・ドローイング」と呼ばれるプロジェクトだ。

 「ここに描けばみんなが見てくれる」と、ヘリングが目をつけたのがニューヨーク地下鉄駅の広告の空きスペース。広告版に貼られた薄く安価な黒色のマット紙にチョークでドローイングを開始。駅員や警察などに見つからないように、ものの数分で仕上げ再び地下鉄に乗り、また別の駅へ…無許可の活動のため、すぐに剥がされるが、次第に評判を呼ぶようになり、駅員に剥がされる前に剥がすファンも現れ争奪戦になったという。

 ギャラリートークでは、まさにその時代に蒐集を始めたアート・コレクター、タッカー・ヒューズ氏(写真中央)が登壇。作品を剥がす際に変装していたという作業員の格好で作業のようすを再現してみせた。まるでジャム瓶に貼り付いたラベルを剥がすように、作品の取り剥がしには慎重さを要したと語る。

 「1980年から始まった『サブウェイ・ドローイング』は約5年間続き、数千点に及ぶとされているが、保存管理がとても難しく、その特性から消失、所在不明のものがほとんど。そのためヘリングを語るうえで重要な作品でありながらまとまった形で展示されることは奇跡的なこととされてきた」と解説するのは中村キース・ヘリング財団の梁瀬薫氏(写真左)。
 そのような貴重な作品を、ニューヨークのマルトス・ギャラリーと前述のタッカー・ヒューズ氏の特別協力により、日本初公開5点を含む7点の作品を一堂に鑑賞できるのが本展の醍醐味だ。この他にもへリングの世界観を体現する約150点が展観される。

【会期】12月9日(土)〜2024年2月25日(日)※会期中無休
【時間】10:00〜19:00 (金・土曜日は20:00まで)※12月31日〜2024年1月3日は11:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
【画像】Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

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