米田知子 氷晶

シュウゴアーツ(六本木6-5-24 complex665 2F)

  • 2024/1/19(金)
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米田知子 氷晶

 20世紀のイデオロギーをテーマに徹底した対象へのリサーチを重ね、国内外幅広い地域において、戦争や震災の傷跡や記憶が強く残る場所を訪れて制作を続ける米田知子。本展では、自然界をテーマとした作品約24点を初披露する。

 シベリア鉄道旅行中にたまたま民家の窓に付いていた氷晶を手持ちのカメラで撮影したことがきっかけになったという氷晶シリーズ(2013〜23年)。本展ではそのきっかけとなった作品《氷晶、シベリア I・II》(1998/2023)をはじめ、フィンランドの凍てつく夜に現れた繊細な氷の結晶を撮った氷晶シリーズ (2013~23年)や、極地方で予期なく現れ空を照らす荘厳なオーロラの姿を捉えた作品などを紹介。米田が自然界の儚くも雄大な存在にフォーカスを当て、「私たちは皆、制御不能な大きな一体感の中にいる小さな存在」であることを示唆する作品で構成されている。
  いずれの作品も綺麗に形が整った氷晶やオーロラを捉えていない。それゆえにありのままの美しさが静かに伝わってくる。

 常に人々の記憶や歴史の痕跡に向き合ってきたからこそ、人類を含めた生に対する真摯な想いと平和への切なる願いを抱く米田。彼女がうつしだす「一瞬に美を放つクリスタライズされた生」を通して、私たちが今、生きている過酷な世界と相反しながらも力強く息づく自然の強さとともに、普段と異なる米田作品の魅力を存分に感じることができるだろう。

【会期】1月13日(土)〜2月24日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】11:00〜18:00
【画像】米田知子個展「氷晶」展示ビュー, シュウゴアーツ, 2024

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