「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」プレス内覧会

泉屋博古館東京(六本木1-5-1)

  • 2024/1/19(金)
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「うるしとともに― くらしのなかの漆芸美」プレス内覧会

 「よくここまで綺麗に残されていたと我々、職員も感動するほど、住友コレクションの漆器は実際に用いられたものでありながら、大変良い状態で保存されている」と担当学芸員の竹嶋康平氏が語る通り、会場には超絶技巧がはっきりと伺える艶やかな漆器が並ぶ。

 住友家のハレの日を彩った漆芸の食器の多くは一式30名分が揃えられているというが、うち、本展では10数名分が展示されており、それだけでも圧巻である。
 特にみどころの一つとして竹嶋氏は、能好きで知られる住友春翠が発注したという、謡曲をテーマとした《扇面謡曲画蒔絵》の丸盆をあげる。
 また、中国皇帝ゆかりの品の証である「五つ爪の龍」の文様から、爪の一つが削り取られたとみられる彫漆作品《双龍図堆黄長方盆》にも注目して欲しいと語る。近年の修理により、なぜ、どのように削られたのかが解明されたという。

 技法にも注目した本展では、「彫漆」「螺鈿」「蒔絵」の区別がつくようにキャプションが色分けされていたり、「ここにも注目!」という解説文で超絶技巧の説明を加えたりして、分かりやすく展示されているのも特長だ。竹嶋氏は「漆器は現在の暮らしのなかから遠ざかっているかもしれないが、本展を通して見る楽しみや使う楽しみを感じてもらえれば」と話す。

【会期】1月20日(土)〜2月25日(日)
【休館日】月曜日(2月12日は開館)、2月13日(火)
【時間】11:00〜18:00(金は19:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
【画像】展示風景 主催者の許可を得て撮影

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